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第七回こむら川お疲れ様でした&自作振り返り

こむら川小説大賞、お疲れ様でした。

投稿作の多さもさることながら、それらすべてにしっかり評をつけられている
闇の評議員の方々には足を向けて眠れません。本当にお疲れ様でした。

さて、最後の花火も打ちあがり(受賞された皆さま、おめでとうございます)、そろそろ下げたまつりの提灯をおさめて回る頃合いかと思いますので、自作の振り返りなど綴っていきます。正直、まだ「自作」という言葉さえ何かむず痒く響くのですが、こむらさきさんが「なるべく多くの人に振り返りを書いてほしい」とおっしゃっていたので……。

◇お題「光」

抽象的かついかようにも解釈可能な、僕のような初心者にも優しいお題で助かりました。不得手ながら第一に考えたのは、それが即物的、現象として輝いている光なのか、あるいは人間、他者、関係性に由来した、人の心に根ざして輝いている光なのか、という所です。おそらく最終的にはどちらの要素も混在したお話になるでしょうが、取り急ぎ粗筋を決める段階では軸足を定めるのも悪くなかろう、と思い、悩んだはてに「即物的な光」からツリーを伸ばす事にしました。人間とか関係性とかは無理ゲーでした。というわけで色々あたまのなかでこねくり回して、最近読み直した乱歩の『鏡地獄』が思い当たり、光で狂う人間の話が書きたくなりました。そこからまたねじって、ひきちぎったりした結果、「人を愛するがあまり魂を他人の瞳に焼き付け、死してなお水晶体にたゆたう男」というイメージが出力されました。瞳の奥にいる男のモノローグから始まり、徐々にその正体、偏執狂ぶりが明かされる、女性の内側にいる視姦魔の話_____キモい。しかし手ごたえもむなしく、まったくお話が広げられず、またあぶったり凍らせたりしてる内になんか思いついた「私はついに光となって、融けたのです」というフレーズを元手に現在の形になりました。

◇書く

しんどかった。こんなしんどいのって感じです。素案を書いた時点で締め切りまで二週間ほどあった筈なのに、結局二日ほどで書き上げました。何とか最低限まとめあげたのは締め切り三十分前です。おのれの無計画ぶりを恨みましたし、端的に時間をかければもっとうまく修正できたので悔やんでも悔やみきれません……。

◇投稿する

知り合いの方、お初にお目にかかる方も含め、色々な方に読んでいただけて嬉しかったです!これもこむら川ってやつのおかげなんだ!特に、文体、表現をほめていただける事が多く、とてもありがたい。本当に、額にいれて飾りたいお言葉ばかりです。読んでくださった方々、感謝してもしきれません。ありがとうございました。

◇反省、次の創作に向けて

本日、講評がだされました。本作についてのご指摘から、筋を伝えられるだけの描写、文が不足していたと反省しています。これの何よりも悔やまれるのは、明らかに書き手の責任であるのに、読み手を妙に気負わせてしまう所です。「解釈が足りない」と少しでも思わせてしまう事。それが書き手としていちばんつらく、申し訳ないと痛感しました。書き手と読み手の距離感の図れない部分は、初めて書くにあたり危惧していたものの、やはり払拭できなかった、という感じです。次がいつになるかわかりませんが、幸いにも書きたいアイデアはいくつかあるので、講評をありがたく受け止めて、これからの創作で改善していく所存です。ここまで読んでいただきありがとうございました。以下、足りない書き手の責任として、本作の筋を端的に記します。








・「私」は、「あなた」と心中をはかり、ひとり死んだたましいである。序盤、心中から生き延びた「あなた」の瞳で像を結んだ。「私」は不干渉の、水晶玉にひそむ精霊のありようを受け入れ、「あなた」の生涯を見届けようとする。戦火ですべてを失った「あなた」は、「私」がむかし書いた手紙に記した住所をたよって、「私」の父母の家にたどり着き、娘を心中に誘った事、自分が一人生き延びた事を謝る。結末、「あなた」は「私」の故郷に身を落ち着け、教師となり、「あなた」と「私」は現状に満足して、「私」は瞳の奥に融ける。

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