書籍も販売されて、ふぅ――と一息。小惑星救援作戦も大詰めです。
最新話である218話では、小惑星を動かすという、えらく大変そうなことをしています。この話を作るにあたり、アーナンケの諸元を考えて見ました。モデルは実在のアナンケですから、サイズは同じ直径28キロになっています。
小惑星表を眺め、重さを確認すると30兆トンでした。ほぉ……想像がつかんなと思いつつ、比較対象としてデュークの重さを考えてみました。デュークのサイズが全長1.5キロ✕高さ1キロ✕幅0.5キロとすると、体積0.75立方キロとし、比重を15(めちゃくちゃ重い)とすれば――デュークの重さは112億トン位だから――アーナンケの重さは、デューク2666隻分。
うわぁ、重すぎ、動かせないぞ、ということで、削れ削れ、リサイズリサイズ、そうだ工事しよう! ってことで、穴ほって、そんでもって岩盤やらななにやらも剥離させて、よし、三分の一でどうだ! って、10兆トンかよ。うわぁ、デューク888隻分……
これを動かすのか……デュークの他に100隻がいますので、これを計算に入れます。まぁ、超大型艦の彼と他の大型艦との差があるから、平均してデュークの60%位の推力を持って居るとして、デューク換算で60隻分の推力になります。
888隻分の質量を60隻で動かす……ええと……15倍の重さのものを動かす事に等しい? 体重60キロの人が1トン近い物を押し上げる感じですね。宇宙空間なので摩擦がないから、押せば押すほど、速力は上がりますが、なかなか加速できないかもしれません。
縮退炉とQプラズマ推進機関という恒星間技術がありますから、こいつはすごいパワーがあるということで、細かい考証は抜きにして、出力最大で100G加速ができるとしました。すると、15倍の物を動かす場合加速度は6.6Gくらいになるはずです。
ふむ、加速が足らぬ……ということで、今回のお話となりました。気合を入れると縮退炉ちゃんは、3倍位の力を発揮するのです。
などとエクセルを使いながら計算していたのですが――――どっか、計算間違ってそうだなぁ……。
ご意見、ご指摘いただければ幸いです。