『いせちん』に登場させたドル教と、実在のドルイドは別物です。
そもそも『神官』ではなく『僧』が普通ですし?
これはカーン教が本質的には神を崇めていないので、こちらで『僧』や『寺』を使いたかったという理由が。
そして実在宗教を、そのまま登場はさせたくなかったのがもう一つの理由です。
なので『唯一神教』も参考にしたモデルはありますが、実在はしていません。
(実在の宗教のまま色々と言われたら、その信者の方は面白くないでしょう。物語の都合で妙な解釈とかもしてますし)
ついでにいうとイスラム教の成立は7世紀初頭なので、まだ『いせちん』の世界に存在しません。
おそらく『アブラハムの宗教伝播』は始まっているものの、いまだ中東固有の古代宗教も残っている頃でしょうか。
日本でいうところの仏教伝来のようなもので、実は全世界的に『古代宗教』と『世界的大乗宗教』の対立は起きています。
ただ日本は『両者が融合しつつ共存』という、世界的にもかなり珍しい結末を。
通常は『世界的大乗宗教』が勝利し、『古代宗教』は敗北します。
……意外と『ローマ帝国がキリスト教を国教化しなかった世界線』は、宗教問題から自由でいられたりも。
そして本編でドル教は「輪廻転生を教義に含む」といってますが、これがどのように信じられていたかは不明です。
(輪廻転生といっても、そのサイクルで数パターンに分かれたりも)
ドルイドの教えは本来口伝な上、一度は絶滅。
現存する資料は目撃者による証言に過ぎない上、その記録もベースは中世末期に記されたもの。
まだ学術的な客観性という概念すら発明されていません。
(なので実のところ、ここ50年くらいの研究の方が信用出来たりも)
……というかドルイド的死生観――地獄や天国があるのかすら不明だったりも。
(文献がないこともないのですが、それは常に中世ヨーロッパ人のでっち上げな可能性を含むという)
宗教は『世界の説明』という側面もあり、『魂』を信じないパターンも稀なので、いわゆる『黄泉の国』は、どの民族にも必ずあります。
もう少し北なら『喜びの野』とかが、これに相当でしょうか。
しかし、フランス辺りの『黄泉の国』って、どんななの!?
そんなこんなの理由でドル教に関しては、かなり想像で補っています。
いつもに増して『鵜呑み厳禁』で!
以上、忘れないうちに注釈入れとこ、でした。