• 創作論・評論

読書感想文『アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?』

草薙聡志『アメリカで日本のアニメは、どう見られてきたか?』徳間書店、2003年。

よく調べてあってよくまとめてある。正直すごく助かる本。

特定の理論とか主張を展開するための本じゃないのも有り難いけど、逆に言うと、読む側が問題意識を持っていないと退屈に感じるかもしれない。
年表的な事実の合間にけっこう興味深いことが書かれていたりして、うっかりすると見落としてしまう。

著者の草薙氏は新聞記者。おそらく特にアニメファンとかではなさそうで、何というか、オタク心をくすぐるようなネタを入れてきたりとか、個人的な思い入れを語ったりとか、そういうのはない。
文章は別に難しくはないけど、終始淡々としている。

そんなわけで、軽い好奇心で読み物として楽しむにはちょっと向かないかもしれないけど、事実に基づいてアニメについてきちんと考えてみたい人には役立つ本。
幅広い資料から引用しながらの記述には信頼がおける。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する