• 異世界ファンタジー
  • 現代ドラマ

考えごと。(面白さの観点で小説を作りたい。)

 「面白さ」がどの要素にあるのだろうかと徐に考えていたのでメモ代わりに。創作について確り学んだことがないので専門的な考察があれば教えてください。

 

――1. コンセプト

 読み始めるかどうかの分岐点は「明示されたコンセプト」でしょう。タイトルや粗筋ではストーリーや緻密な設定は表現しきれない。だから作品全体の雰囲気を伝えられるコンセプトが大事。

 対して「暗示されたコンセプト」は何か。「この小説って実は……」と読む終わってから深読みして気付くコンセプトのことを指します。読み終わったあとでも面白かったと感じてもらえる要素です。

 つまるところ、最初と最後の面白さはコンセプトにあるんじゃないかと思います。コンセプトを断定して変更を許さない姿勢は、執筆の柔軟性を失いますが、作品の基礎は盤石な方が悩まずに済みます。小説は自由すぎるがゆえに迷走しがちなので、自主的に制限する価値があると思います。



――2. ストーリー

 コンセプトについて表現できる物語を考えるのがストーリー。いかなるコンセプトでも出来事の順序をしっかり立てる必要があります。短編集でもない限り、行動原理に欠けた登場人物では説得力がなく、読者はストーリーの進み方に疑問を持ちます。殺人犯の犯行理由がない推理小説は欠陥品だと思います。(見たことないですが。)

 具体的にストーリーを作る方法としては、コンセプトを表現できるイベントをいくつか考えて、それぞれのイベントを矛盾なく繋げると簡単です。スタートから枝を伸ばすようにストーリーを考えると行き詰った時に修正ができません。

 なのでストーリーとは、イベントと、イベントを繋げるルート、この二つ要素があると思います。このとき、イベントが面白さを生みますが、ルートを疎かにすると面白くなくなります。なので、イベントに注力しつつ、最低限のルートを確保したいところです。



――3. 設定

 ストーリーを練っていると、世界観やキャラクター設定がぼんやりと形作られていきます。なのでディティールを詰めていきます。

 「忠臣の騎士」がストーリーに必要とします。騎士Aとします。ここで「寡黙な騎士」も必要なとき、新たに騎士Bを作るのは失策といえます。特徴が似ているキャラクターを作るべきではないです。キャラクターが多いと個々人の印象が薄れます。誰の話か分からない小説は面白くないです。

 しかし特徴盛りだくさんのキャラクターは難解です。いわゆる「万能系主人公」は特徴を独占します。他のキャラクターに振り分ける特徴が残りません。「異性」「子供」「異種族」しか残りません。「賢くない」もよく見ます。キャラクターが主人公の付属品となってしまうのは勿体ない。キャラクターには生き生きしてほしいです。

 よってキャラクターを作るには準備としてストーリーに必要な特徴を抽出する必要があります。次にその特徴をあくまで均等に振り分けます。主人公は少し多めでもいいですね。主要なキャラクターはこの手順を踏むと特徴のバランスが取れます。

 もう一つの要素である世界観はキャラクター同士の関係性を作ります。地理や魔法、歴史といった大枠の設定や、冒険者、魔法使い、勇者、聖女といった役職。分類すれば色々あります。しかし目的は一つ。世界観とはキャラクターの特徴を根拠づける要素です。幾らでも拘れる要素であるだけに目的を忘れがち。気を付けたいところです。



――4. 組立

 ストーリーと設定が完成していれば小説は書けます。但し面白いかは別です。ストーリーを構成するイベントやルート。これらの順番や強弱、取捨選択によって面白さは変化します。あたりまえですね。しかし最も難しい要素だと感じています。起承転結、序破急なんて言われてもはっきりとは理解できていません。

 付随して、誰の視点で描くか(人称の選択)も重要です。これは視点によって情報が異なるからです。隠したいもの隠し見せたいものを見せる方法の一つです。第三人称では全ての情報を統制できるものの、没入はできない。第一人称では情報が不足する。コンセプトに合った人称を選択したいところです。



――5. 文体

 ストーリーなどの情報を伴わない小説の要素を文体と呼ぶことにします。軽視されがちですが、読みやすさ、読んでいる正にその時の面白さは文体にこそあります。つまり最も重要な要素です。

 「支離滅裂」「意味不明」なんて呼ばれる小説でも、圧倒的に読みやすい場合があります。逆に内容は面白いけど、文体が受け付けない小説もあります。

 文体は作者の特色が出やすい要素でありながら修正が難しい要素です。「才能がない」と思っている人は「文体が大衆向けでない」だけかもしれません。「読まれたい」のなら他のいかなる評価を無視してでも「読みやすさ」に注力するべきです。斯くいう私の文体は読みにくいです。気を付けてはいますが、一文の情報量が過剰になりがちです。



【まとめ】
――1. コンセプト
 明示されたコンセプト、暗示されたコンセプト

――2. ストーリー
 イベント、ルート

――3. 設定
 世界観、キャラクター

――4. 組立
 構成、人称の選択

――5. 文体
 読みやすさ



 全てを実践している訳ではないですが、こういった要素が重要なんだと考えています。「プロット」という手法は面白さより矛盾のないストーリーと組立に役立つと思っています。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する