はっきり書きますと、戦争を経験しているお年寄りと、経験してないお年寄りでは、意識が全く違うと感じています。
十年前、ホームヘルパーで、通っていた男性は、二回、戦争に行き、そのことが、どの様に悲惨か、話しておきたい、聞いてほしい、そのような方でした。ルール違反です.私は、ヘルパーの仕事が終わっても、その方の戦争体験をお聞きしました。
自分が生きている間に、話しておきたい。その男性の言葉を、今は書くことができません。だって、どんなに悲惨なことか書いたって、若い人には空言であろうという虚しさがあるからです。
ある日、その方が私におっしゃった言葉は、私は死ぬまで忘れないと思うのです。
其日、ヘルパーとして訪問すると、
「今日は、雨だ。○○さんは、自転車だろう。こんな日に、買い物に行かせるのは、可哀そうだ、行かなくていい。冷蔵庫の中が空っぽだったのに、その男性は私を見て、そう言ったのです。その言葉に、私は愕然としたのです。少なくとも、私は、兵隊の配送船で虱など,そんな経験が有りません。
私は、私が想像もつかないほどの、辛さや苦しさや、恐ろしさを受けた、男性に、たった、雨の中買い物に行くのは可哀そうだ、そう言われたのです