• 詩・童話・その他

蜘蛛

 だいすきだった。
 もう誰のことも愛せないと誓った。
 何度も喉が蠢くのを、悲しみと共に飲み下すのを、あなた達は吹聴した。道化の名ではなかったはずだ。食糧品だとなぞれたはずだった。だから、それはエクソシズムだと、その人たちは信じることができたのだそうだ。
 エクソシズムだった。サバトすら催してくれるのだと語った。日本人であるのに、英語を少しくらいは理解しているのだというのに。
 わたしたちは、いつでも虐殺されている。

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する