作品には、著者の主義主張がしばしば入りますが、警鐘的に逆の失敗を書く事もあります。どっちかというのははっきり分かるようにすべきか、読者の読解力に期待するかということになりますが、私は読者の読解力に期待しています。
そして、主義主張を入れたつもりの作品を読んでもらって、入っていると思われれば成功で、気づかれなければ失敗ということになります。
本題です。
本題は、ネタバレです。
まだの方は先に本編を読んでいただけると幸いです。
本来ネタ晴らしは野暮だと思うのですが、私の小説はPVが少ないので、供養の意味で、自分で書くことにします。
それでは、解説します。
「夢で見た未来」は、私の小説の中では分かりやすい方だと思いますが、生成AIのもたらすディストピアで生活する主人公を書く事で、生成AIへの危機感を表現しようとしたものです。ラストを除きこれに当たります。
前半は、主人公が生成AIの便利さを表現しています。後半は、前半で便利と言った生成AIのもたらしたマイナスを表現しています。最後の2行が主人公が突き付けられた今後の選択肢を表現しています。
うーん、まさか、前半だけ読んでこの著者は生成AIを推進している!なんて早とちりされたら困るなぁとは思ったのですが、……分かりますよね?うーん、うーん。
さて、それで、目が覚めてからのラスト2行は、深い意味を持たせてあります。
発表の時期に、SNSの書き込みを見ていた方は想像つくかもしれませんが、生成AI問題に対して、目を背けるべきか、しっかり見続けるべきか悩んでいました。それを小説の裏テーマとして、本文とそれを受ける最後の2行に圧縮しました。
詳細は次のようなものです。
ラスト2行のうちの1行目「僕が目を開くと、世界は、今は未まだ、ぼんやりした未明の時間だった。」は、世界は未明にある。まだ未来ははっきりと決まっていないと表現しました。
ラスト2行のうちの2行目「目を瞑ったら、僕は、また未来の続きを見ることになるのだろうか。」は、生成AIから目を背けていると夢で見たディストピアが来るかもしれないという警鐘です。
どうでしょうか。伝わっていると嬉しいのですが……。
こういう行間やら深い意味を隠した文章は結構書いていますが、指摘があまりないので……そもそもPVが……気づかれないのもかわいそうだなと思って供養のつもりで、自分でネタばれしてみました。