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【エッセイ番外編続き①】図書委員の裏の顔 官能小説とBLに溺れた6年間

僕は最近になって知った。
ひよりが“女子校の図書館の暗黒面を担っていたことを。

ある休日。
ひよりが部屋を片づけていて、古びた『源氏物語・若菜下』を見つけた。

「そういえば私、古典めっちゃ好きだったんだよね〜」

へえ、意外。文学少女だったのか、と一瞬思った。

しかし次の瞬間。

「だってさ、源氏物語って大人なシーンもBLシーンも合法で読めるじゃん?」

……合法の概念どうなってる。

「授業のたびに“今日の光源氏は攻めかな受けかな〜”ってワクワクしてたの!」

先生の想定外の読み方だよねそれ……。

***

「私、中学から高校まで6年間図書委員だったの♡」

真面目ポイントかと思いきや、

「新刊で官能描写のある小説が入ると、貸し出し前に“内容確認”って名目で真っ先に読んでた」

名目の意味とは?

「そのあと、その本を借りた子の貸出記録を見てあ、この子は受けだな”“この子は絶対攻めだな”って妄想するのが最高に楽しくて」

知らんわ。

ひよりの暴走は続く。

「その本……今日だけで3回読み返してません?”って委員仲間に指摘されて、微妙に距離置かれた(笑)」

そりゃそうだ。

***

「図書委員のカウンター業務って暇でさ〜。つい官能小説読んじゃうんだよね。そしたら顧問の先生に覗かれちゃって“白石さん? 何を読んでるの?”って」

地獄。

「“秘密です♡”って答えたら、急に作業めっちゃ任された」

隔離だよそれ。

***

「顧問の担任の先生がね、“読書家ですね”って褒めてくれてさ〜」

そこまではいい。

「それ聞いたお母さんが“どんな本を読んでるんですか?”って言っちゃって。先生、めちゃくちゃ目泳いでた(笑)」

そりゃそうだ。

僕は静かに悟った。

この女……昔から珍獣だったんだ……。

⇒【エッセイ番外編続き②中高でBLに目覚めた理由】はこちらhttps://kakuyomu.jp/users/chinjyou/news/822139841476517172

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