• 現代ドラマ

第一章あとがき 医学部って?

初めてのご挨拶となります。普段は医療従事者をやっており、新たな趣味として初めて小説を書いています。拙作「相対的禁忌~医師にして、Vtuber」をお読みいただいた方は誠にありがとうございます。

皆さまは医学部(正確には医学部医学科)についてどのような印象をお持ちでしょうか。大学に医学部があっても多くの場合キャンパスが異なるため、なじみの無い方も多いかもしれません。

最大の特徴としては作中でも書いてますが、全員が医師を目指しているという前提で教育が行われていることにあります。多くの人は20歳になるかならないかで受験するわけなので、確固たる意思をもっている人は意外に少なく、途中でもっと他にやりたいことを見つけることもあります。

しかし先ほど述べたように教育が医学に特化しており、サークルは少ない(というか部活に近い)、就活のやり方も学べない、試験や実習で忙しい、そして××××××××(先の展開にかかわるため伏字)など、医師以外になりたいと言ってもハードルが高かったりします。そもそも入るのが結構難しいので、せっかく入ったのにもったいないと考えることもあるでしょう。

しかし中には医学部の勉強に自分のやりたいことを両立してくる「怪物」もいます。私の大学の後輩に、陸上でオリンピック代表を争うほどの選手がいました。彼女は臨床実習期間中も他の学部のキャンパスで練習を重ねていました。直接の接点があったわけではないので、その時点で将来どうするつもりだったのか聞く機会はありませんでした。

私は臨床実習で同じ班だった仲間と、彼女を引き合いに出して「医師以外なら何になりたいか」について語り合ったことがあります。全員それぞれやりたいことを持っていました。しかしそれでも5人の班員は全員医師になり、そしてその後輩も惜しくもオリンピック出場ならずに医師国家試験を前に選手を引退したのです。

医学部に限らず、たいていの人は自分が本当にやりたいことを見つけられないか、実現できないものです。そんな中、本当にやりたいことを見つけてしまった、医師にもなれる、やりたいことも出来る能力を持った「怪物」。しかし人間である以上、そこには迷いやほかの人間との衝突などがあるはず。そんな彼女の心中、裏側を見出したいと思い、筆を取りました。今後ともよろしくお願いいたします。

※この物語はあくまでフィクションです。実際の人物、団体、事件とは一切関係ありません。

追記:第二章に合わせてキャッチコピーと紹介文を変更しました。

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