部誌に寄せたあとがき
変わった子とか独特な子とかという江藤の評価は、作中の事があってから異常な子という評価に変わってしまった。普通と異常の間の曖昧な部分にいた江藤は、不可逆的な評価を得たかった。『普通』に擬態できるほど彼女は器用ではなかったから、森元を使って『異常』になりきることにした。それが彼女の望みだった。だから彼女は人から異常と言われても、少し死にたくなるくらいで、あとは平気だった。
補足
2023年秋の部誌に載せた小説。最初はギャグ小説を書こうとしたが、寄稿できない可能性が高くなったため、書きかけだったこの話を書いた。主人公は自分の感情を言語化する能力が劣っているので、対外的な描写を重視して書いた。
また、タイトルは皮肉が5割入っている。そして本文の9割はフィクションである。