紅野 小桜

友達みたいな元恋人から。

有象無象に掻き消されるような、けれど確かにそこに存在するもの。 あの時の私達にとって、全てだったもの。 一話完結です。

芝付の　美宇良崎なる　ねつこ草　 あひ見ずあらば　吾恋ひめやも───詠人不知

息が、息が出来ないのです。 居場所が見つからない。 そんな誰かの、誰かの。

罪を償い、赦されたいとその人間は思いました。

知らない場所に行くだとか、 慣れないことをするだとか。 一人でやるとこわいけれど、 みんなでやればこわくない。 そうでしょう？ そういうものでしょう？私達って。

「大器晩成」 そんな言葉を信じた何処かの誰かの物語。

どこにでもいるような、取り立てて特徴のない女の子。 そんな彼女が、「女子高」という閉鎖空間で 見目麗しいクラスの女子に特別な感情を抱くのは、 自然な流れでした。