百鬼の忍~戦後を終えた日の下で、役立たずの忍は忌者喰らいの姫と出会う~
https://kakuyomu.jp/works/16818792436672972594第一章 【忌者《いみもの》喰らいの姫君】 を、読んでいただいた皆様。誠にありがとうございました!
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せっかくなので、ここらで本作についてのちょっとした裏話でもできればと思います。
◆明松一族
彼らは、御三家の一角「火走《ほばしり》」の分家筋であり「火遁」を「熱」に特化させていった家系です。
「くのいちJK!」の主人公、火走呉奈は、この本家の令和時代の秘蔵っ子です。
本作主人公の明松朱弘と火走呉奈は、遠縁の親戚となります。
それでも呉奈はまだ「怨鬼」と相対したことはありません。
呉奈は大型の「丙種」を本編でブチのめしてますが、令和の浄忍にとって危険性は「甲種」の方が上。
戦後の社会の安定は、怨鬼の潜伏による危険度を高めており、昭和時点以上に厄介な存在になっているためです。
そのため、怨鬼討伐のためのマニュアル化や教育課程が、「特務課程」として綿密に組まれています。
戦後の混乱が冷めやらぬ昭和と比べ、令和のくのいちの怨鬼討伐には報連相と指揮系統が徹底されてます。
そういう意味では、掲載範囲の対怨鬼の戦績としては、朱弘の方が一歩リードしたと言えるかもしれません。
◆朱弘の強さ
朱弘は男浄忍としては決して弱くありません。当代においては上澄みも上澄みです。
ただし、本編にも書かれた通り浄忍はくのいちの世界で、彼一人の力では丁種(小型)討伐がせいぜいです。
これまで彼と同じ境地に立った男忍者はいましたが、大抵は討魔の道を諦めるか、死にます。
彼一人で頑張ろうとしても、本編開始時点の強さが、彼の伸ばせる実力の限界でした。
一般人との喧嘩では無双できるでしょうが、まともな浄忍なら一般人に忍の力をふるったりしません。
営業のために忍の持久力を使うのが、ちょいワルを気取る彼にとって、精一杯の「悪さ」だったわけです。
◆守谷一族
短編版くのいちJKの担任教師に「守谷京香」が登場しましたが、本作の「守谷宮子」と血縁関係があります。
どういった関係かは物語終盤で触れるかもしれませんが、基本的には同じ一族の親戚ぐらいの認識で問題ありません。
容姿は似ている想定ですが、宮子の方が不器用でお堅い人物で、昼行燈を演じる京香とは対照的に真面目な女性のイメージです。
根っこが真面目な部分は似ているのですが、この辺りはくのいちJKの連載版で触れることになると思います。
◆「遁法」と「沌法」
これは誤字と見た方もいるかもしれませんが、意図的なものです。
忍術と鬼の超常力、それぞれ別の技術体系として発展しています。
「遁法」は「遁走を助ける術」、「沌法」は「混沌を招く術」が原義となっています。
そして、鬼は浄忍と違い「血統」ではなく、「魂に刻み込む」事で、術を形作ります。
そのため「血因遁法」と「剋因沌法」という名前わけがされている、と言ったものです。
第一章時点ということで、ひとまずはここまで。
引き続き、 第二章【憂国精鬼のラプソディ】 を、ご期待ください!