7.5cm榴弾砲
防衛偏重の戦略を支える重要な火砲。陸軍の基幹部隊である砲兵科が保有する主力装備。
口径、射程、重量共に標準的な性能を持ち、現在も多く生産・運用されている主力火砲の一つ。
マズルブレーキ、駐退機、閉鎖機などの細かな改良を重ね、輓馬輸送から車輛での運搬を考慮して、牽引装置とサスペンション付きの転輪などの改修も行われた。
本来の用途は砲兵観測員・射撃指揮所との連携に基づく間接照準射撃であるが、カノン砲、対戦車砲としての転用も考慮され、直接照準器も追加されている。
数による集中運用を前提としており、国境付近に配備された砲兵陣地からの斉射による攻撃力は高く、Hammer(ハンマー)の愛称を持ち、守護の象徴として軍・民共に親しまれた。
近年、敵の機械化・重装甲化が急速に進み、その価値は陳腐化しつつあり、前線の将兵からは「敵の装甲を軽く叩くだけの砲」と囁かれ始め、Klopfer(ノッカー)と蔑称されることがある。
しかし、これは敵国が装甲防御の基準を「7.5cm榴弾砲の直撃に耐え得るだけの抗堪性を持つこと」とした結果であり、この砲が敵を如何に苦しめたのかが伺える。
次期主力として125mm榴弾砲の採用が決定、生産されているが配備数はまだ不十分。