• 詩・童話・その他

めずらしく

ふと思い立って戻ってまいりました。





ここでひたすら、自分の好きなように文章を紡ぎ続けていた頃の私が、なりたかった高校生に私はなれたのでしょうか。

小学生の頃から、高校生という有限で華々しい存在に憧れ、その憧れを三年間自分のものにすることができて、いっそこのまま人生が止まってしまえばいいのにと、何度も思いました。

楽しい時が止まればいいのにと思う反面、憧れを現実にした今、この先何を目標に生きていけば分からないという漠然とした不安に駆られています。

高校を卒業した先の未来から目を背けていた私が、その先を生きていくために受験勉強をしているというのはなんだか不思議な心地です。

大学受験のための勉強をするということは、焦がれ待ちわびた高校生活に、区切りをつける決心をするということです。

大学生になる私は後悔しないのでしょうか。やり残したことはないでしょうか。

高校生活、何がそんなに楽しかったと聞かれますが、なにか特定のイベントなどがあったわけではありません。

教室が寒いからとさらに寒い廊下を自販機までジュースを買いに走って、絶対に間に合わないのに小テストの前に必死に単語帳を捲って、それでも間に合わなくて先生に駄々をこねて。

こうした一瞬一瞬が何気ない1コマに見えますが、私の理想としていた。それ以上の日々でした。

大好きな友人や先生たちに会えなくなるから悲しい、よりももっと、大きな何かが私の邪魔をするのですが、まだそれを文章として消化するには時間も覚悟も足りません。

せめてひとつだけ。私が”憧れの私”でなくなるその瞬間に。

どうか笑っていられますように。


2024年12月28日     
              私より

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