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◆詩2〜「Give Me Your Hand(Tabhair Dom Do Lamh)」(2017.1.15)

風のなかに呼び声がする
はじめはかすかに しだいにつよく
太鼓(バウロン)が鳴り響いて 笛(ホイッスル)が加わって
鼓動と足が刻むリズムとが どんどん速くなっていく

わたしの手をとって
音楽の魔力が身体じゅうをとりまく
わたしを踊らせて
今だけでいいから、しっかりつかんでいて しっかり見ていて
わたしたちのまわりで あらしがうねって
世界がたたえているものがきらきらこぼれる
つややかなフィドル きらめく音色のコンサーティーナ
世界がたとえ あとかたもなく 崩れ去るとしても
一周まわって わたしはいま、あなたに恋している

水はケルト模様のように
つかんだと思ったら すりぬけてしまう
でも 忘れたくない 覚えていたい
いま すべてが昼と夜の境い目になだれ込む

わたしの手をとって
黙って見つめて 今すべてをいったん忘れて、また思い出して
静寂のなかのおしゃべり 炉のなかの赤い火
哀しみが歓びにかわるとき
世界は光と魔法に満ち満ちる
わたしを回して
メロディが身体の内と外にあふれていく
風が吹き抜けるフルート 魂の音色のブズーキ
世界の真んなかでなみだの雨に降りこめられても
心のいちばんやさしいところで わたしは あなたを 愛している


□ □ □ □

わたしはアイルランド音楽を演奏しているのですが、そのなかの好きな曲Give Me Your Hand(Tabhair Dom Do Lamh)をもとに、恋のうたを書いてみました。恋のうた、です!経験もないのに笑
アイリッシュの、胸がどきどきするような軽やかな音楽。それにあわせて、心から愛する人と手と手を取りあってダンスする歓び。 すれ違う背中と、そっと触れあう指先、きらっと合わさって微笑みあうまなざし。そんな素敵なものいっさいがっさいを、想像力を逞しくして、詰め込みました。まさに、一瞬が永遠になるとき、です。

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