裏聖書:禁断の項:第8章:理を忘れた民よ……辛苦を舐めよ……ともがらを喰らい尽くせ。
2000年以上も秘匿され続けたこの契約が現実になるとは、過去のどんな聖職者も想像できなかった……
2050年、世界の人口は100億を越えようとしていた。
100億……遥か昔に神と言われる存在が、この星の“人”に満ちる事を許した数の上限だ。
それを越えた時、人は人で無くなり人を粛清するモノへと変わる。
ごく普通の大学生、遠藤良治はその日もいつも通りに大学の授業を受け、バイトへ向かう所だった。
「じゃあな、また明日」
「おう、またな」
大学に入って最初に出来た友人、間島豊に手を上げ道路を渡る時にそれは起こった……
キィィィィーーーー!
車のブレーキ音が鳴り響いたと思った時には自分の視界が上下反対になっていたのだ。
意味が分からないまま呆けていると、地面に自分の頭が叩きつけられ、同時にゴキャっと鈍い音が響く。
意識が戻った時には救急車とパトカーのサイレンが鳴り響き、野次馬の声と悲鳴が鬱陶しく感じられた。
視界の端では間島が涙を流している……どうした?何があった?
「良治……良治……」
オレの名を呼んでいる……オレは返事をするためにゆっくりと起き上がる。
絶叫……男も女も関係ない……全ての者がオレを見て恐怖に歪んだ顔を晒していた。
「ま、まじ、ま……」
自分でも驚くほどのダミ声が出て、当の間島は腰を抜かしてなんと小便を漏らしている。
おいおい、大学生にもなってそれはマズイだろ……
オレは間島を立たせるために近くに寄ると……
何故だろう……良い匂いがする……
そもそも視界もおかしい……真っ直ぐに立っているはずなのに90度ズレている。
ああ、オレの首が90度ズレているのか……
じゃあ、しょうがない。
それより間島だ……なんでこんなに良い匂いがするんだよ……お前……
そんな匂いをさせてたら食いたくなっちまうじゃねぇか……
我に帰った時には、首は真っ直ぐに治っていた。
辺りを見ると……正に血の海だ……
何となく記憶がある。
オレがやった……間島の首筋に噛みついた後は、近くの肉に齧りついた。
食べるほどにチカラが溢れて行く感覚に、オレは狂ったように食ったんだ。
見ろ、この体。壊れる前より断然、強くなってる。
しかも、何となく分かった。
生きた肉を食えば、体が強化され傷が修復されていく。
これはシステムだ。体と心の奥から“増えすぎた人を減らせ”と声が聞こえる。
神がいるとしたら、正にこの声が神なのだろう。
オレは神の代行者だ。人を減らすために遣わされた……
遠藤良治が車に撥ねられ即死する、ほんの0.5秒前に丁度100億人目の人が誕生していた。
これにより契約が発動してしまう。最初の約束された死者たる遠藤良治は、人が半分の50億になるまで人を減らさなければ、死ねなくなったのだ。
次の契約は101億……その時は2人の約束された死者が現れるはずである。
それは最初の契約者、良治にとって恥ずべき事であった。
「オレが絶対に減らしてみせる……」
なーーんて話を考えてみたのですが……イマイチ、イマニぐらいですなぁ(*ノωノ)
ゾンビ好きなんですよねぇ。
強みも弱点もてんこ盛りで作者からするとミス?そんなの関係ねぇ!ゾンビパワーじゃい!で切り抜けられる感がw