二人だけしかいない自称天文学部の理央と奏。 高校三年生、最後の夏休み、天体観測に集合した。 もっと早く好きだと言えば良かった――。

中学三年生、 傘を忘れた私に、遠雷を教えてくれた人。 淡い思い出が雨音でよみがえる。

中学の時の出逢いが自分の道を決めた。 もう一度、あなたに逢い――。 ただそれだけだった。

いつも穏やかで笑顔を絶やさぬ君は他の誰よりも優しい。 自分に自信が持てない僕は君に出逢って毎日が楽しくなった。 君と僕の物語はゆっくりと始まって切なくなった。

高三の冬、好きな人がいた。 『冬の匂いがする』 目を細めて笑う人は、私の告白をいつもはぐらかす。 だけど、あの日は違った。 私の卒業を待って返事をくれる、そう約束してくれたのに―…