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名刺代わりの小説10選

大通りのなにかの木(ケヤキ…かな)が赤くなってきて、日々掃き掃除をしている人を見て「隅から隅まで全部やりたい…!!(単純作業を永遠にやっておりたい衝動)」と思っているあとみくですこんにちは。葉っぱがはげたらイルミを全身に巻き付けられてしまうのだぜ、その熱で何か悪影響がなければいいが…。

さて早速ですが、いつも親しくさせていただいてる、雪うさこさまのエッセイにて、「名刺代わりの小説10選」というご紹介がありまして…

https://kakuyomu.jp/works/1177354054917617001/episodes/1177354054935654133
(↑ うさこさまのエッセイの該当ページ)

まあ、調子に乗ってちょっと考えてみたのでせっかくだからここにあげてみようと思います…。と、いっても「黒犬と山猫!」本編内で出したものばかり。読んでくださった方は「ああ、アンタがそれ好きなの知ってる」って話ですが(;^ω^)


「名刺代わりの小説10選」
☆印は映画化されてるよ

・姑獲鳥の夏/京極夏彦☆
(妖怪という概念が精神と融合する話)
・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹
(分断された二項対立が交わる話)
・航路/コニー・ウィリス、大森望(訳)
(過去と記憶の再構成の世界で救いを求める話)
・黄金を抱いて翔べ/高村薫☆
(人のいない世界を求めて金塊を盗む話)
・冷血/高村薫
(殺意という見えないものに対し、群盲象を撫でるような話)
・レッド・ドラゴン/トマス・ハリス☆
(社会において殺人と精神疾患に折り合いをつけたい話)
・全滅領域/ジェフ・ヴァンダミア☆
(ヒトというくくりをはみ出した真の恐怖の話)
・フラットランド/エドウィン・アボット・アボット
(スクエア氏(二次元)は球体(三次元)が円にしか見えない話)
・平行植物/レオ・レオーニ
(芸術と自然と概念を織り交ぜてその奥を問いかける話)
・鼻行類/ハラルト・シュテンプケ
(本当にいたらすぐ絶滅してほしいと思う生物群の話)

…すみません、最後の2つは小説じゃなくてノンフィクション寄り。近年はほぼ物理&科学のノンフィクションしか読んでおらず、新しい小説が全然ないですが。

この中でピックアップしたいのは「全滅領域」です。これはナタリー・ポートマン主演で映画化されていて、本当に怖かった。途中までは探検隊が未知の何かに襲われる恐怖というSFミステリなんですが、その何かの正体が…「パラサイト・イヴ」「深海のYrr」「コンタクト」「正解するカド」方面だけど、意図が不明で怖すぎる。予告編だけで十分ビビるけど、「キャーなにあのモンスター怖い!」を超えたそれは精神を浸蝕する恐怖です。小説はほぼほぼ意味不明なとこまで掘り下がっていっちゃってて作者を心配するレベル。ちょっとトラウマ級に怖くなりたいな~って時にはおすすめですね ♪(笑)

ではでは最後に、お決まりのBL話。
あのですね、スタバにて隣に大学生男子二人が向かい合いで一緒にレポート書いてまして、いろいろ、グローバル社会と日本みたいな論をぶちつつ、勉強しているわけですよ。
手前のグローバル論のAくんと、奥のBくん。
正直Aくんの話はややドヤっぽくてうざく、Bくんの相槌はあまりなくて、Aくんは「もうちょっと説明しなきゃ!」で更にヒートアップ。でもBくん、ちょっと遅れて「…それは、何でそう思うの?」とか「~~ってのは、どっから?」って、あんたちゃんと聞いとるやんーー!!涙
とまあそれだけでも微笑ましかったんですが、しばらく無言で書いたのち…
あ、そういえば、めずらしくノートに直筆だったなあ。だからか。
いや、Bくんが広げた教科書を、Aくんが指さすんですよね。…こう、パーソナルスペースといいますか。机の向こう半分にある教科書のところまで手が伸びていって、指が紙の上をなぞる…PC2台ではその画面にはばまれるところを、その壁はなくて…
それで、またAくんの手がBくんの方まで伸びていって…

その手を、きゅっと、握ったんですよ…

Bくんが胸の前あたりで机の上に置いていた両手の真ん中、そこにAくんの左手が、その両手をいっしょに、きゅっと…。一瞬ポン、じゃなく、十秒くらいずっと。

私はグローバル論を遠ざけてフェラーリ(コラムの仕事)に集中すべくヘッドホンをしてたんですが、いったいどんな経緯で手を握ることになってるのか、しかし今更おもむろにヘッドホンを外すのもあれで、ちらりと見るにとどめるしかなく…

「頼むよ、レポート終わったら俺にラーメンおごってくれよ。…お願いお願い、500円しか持ってないんだ、いいだろ、頼むよおおお!!!(手を握る)」
…って空気でもなかったんだけどなあ!!(お幸せに!)

…ふう、みんな見せつけてくれるなあ、私も続き書くの頑張らなきゃ。
えーと「黒犬と山猫!」更新はまたいったんお休みで、次の章を書いております…。今度は二日に一話の更新にしようかなあ。

では今日もGO TO EATへ行ってまいります。タダ飯万歳。
あ、うさこさま、リンクさせていただきました、いつもありがとうございます!!

8件のコメント

  • あとみくさま、10選ありがとうございます!
    しかもエッセイのリンクまで…泣けました。感激で泣いてます笑!

    ああ、やはりあとみくワールドの根幹のような十冊ですね!
    全滅領域って、タイトルからしてこわい。全滅ですよ! 一人残らずでしょ!? これだけでこわいです泣

    京極堂シリーズは私も大好きです。ほとんど読みました。姑獲鳥は初めて読んだ時に衝撃でした。何度も読み返した記憶があります。私の場合、魍魎が一番で…美馬坂さんの狂気的な感じがそそられます笑

    やっぱり違う。そしていい! ありがとうございます。
    そしてBLくんたち。やばす。これ、目撃したら「うおおおおお」って叫んでしまいます。なにせ、おっさんずらぶたちをみて車中で叫んでいますから。わたしには無理だ。隠せません。やはり都会には住めません泣 あとみくさま素晴らしきかな。

    いや、いいなー。そんな環境で仕事がしたいです笑! お疲れ様です。
  • あとみくさんの愛読書(?)興味深いです。

    私には難しそうなタイトルばかり……。唯一、京極夏彦さんの「姑獲鳥の夏」は手元にあるので、近い内に読んでみたいと思います。
    作家さんが普段読まれている本を知るのって勉強になるし、何より知ってる作品や手に取った作品があると無条件に嬉しくなります。

    AくんとBくんの実話……。ぐふっ、って感じで吐血しそうになりました。
    ばっちり観察しながらもスルーできるあとみくさんがすごいです。そんな光景、見かけたら私もすぐ顔に出してしまうと思います。あとみくさんと都会、恐るべし。尊敬の他ありません。
  • そうか〜あとみく様はこう言う本がお好きなんですね、たまに物理とか数学方面の匂いがぷんぷんしていたのはこう言う事かと、それプラス精神世界が融合してあの山根君のぐるぐるが構成されて行くのですね。
    京極夏彦先生の「魍魎の匣」が好きでした。映画版も賛否あると思いますが、私は割と好きで、エンドレスで流していた頃もありました。ちょっと精神病んでる感じが淫靡で背徳的でゾッとしますが、そう言うの好きでした。
    分かりやすく簡潔にポイントを纏められた10選。
    鼻行類はちょっと読んでみたいですね!
    BL話の二人の関係ってなんだろう?何故そんなに手をぎゅっと?
    勘繰るのも楽しい眼福な光景。良い物見ましたね、あやかりたいです!
  • >雪うさこさま

    こちらこそ何だか便乗してしまうようで、図々しくてすみません!!
    全滅はホント、タイトルからして身も蓋もないですね。わー、二文字で怖がっていただけて嬉しい!(どんなSやねん)

    そして京極の「匣」ですよ~~~!!いや、正直ハコはやっぱり人気が高くて、私としては美少女の百合っぽさがビジュアル的にもいいのかな?と思っていて、あ、うさこさまも美少女派か~なんて勝手に思っていたらまさかまさかの美馬坂派!!!(笑)いや、これには負けました。渋すぎる。おみそれしました。

    おっさんずらぶ、そうか、車内なら叫べるのか!!車が欲しくなってきた…(笑)外ではもっぱらマスクの内側でモゴモゴ叫んでおりますが、マスクなしでは何もできず…いえね、私だって「うおおおお」だったんですけどね、それ言ったら絶対AくんもBくんも手引っ込めちゃうと思って…それがLOVEの芽を摘むようなことになってしまったらと思うと、もう凍った湖に沈んでいくかのように大人しくなりましたよ私の身体は。LOVEの腐守護神だから、それを守るためなら自分のことは投げ出せちゃうんですよね。。。(意味不明)

    …と、とにかく、お越し下さり、コメントまでありがとうございました!いつも感謝です!!(*'▽')
  • >怜さま

    わーーようこそです!っていうか姑獲鳥が手元にあるのにまだ読んでいらっしゃらない…!?まあ、でもハマってしまうと次の匣、夢、檻、理…と中毒性が高いうえ厚みも相当ですから、時間があるときの方がいいかもですね。毎日ちょこっとずつ、っていうより一気読み必至なので!!(>_<)

    本当、皆さんが何を読まれてるかって、すっごく興味深いですよね。名刺代わりとはまさに言い得て妙です。私もうさこさまについ「あ、それそれー!知ってる!」とコメントしちゃいました ♪ 機会があれば、ぜひ怜さまのお気に入りも教えてもらいたいです(*´ω`*)

    そしてBL話…ま、まさか怜さま吐血するなんて!(普段の落ち着いた文とのギャップが…)でも尊敬してもらえるのは嬉しいです!他のことでは「いえいえ私など!」と恐縮するところですが、LOVEの腐守護神として、ここは自信を持ってその栄誉を受けたいと思います(すみません、うさこさまへの返信をご覧いただければ…何度も書くには忍びないバカっぷりで…)

    とにかくコメントいただき嬉しかったです!!ありがとうございましたー(^^)/
  • >mono黒さま

    そうなんですよ~~~!!物理方面と精神世界でのぐるぐるなんです!わー、何だか「そこそこー!!」っていうマッサージみたいに気持ちよく理解してもらえて、もう至れり尽くせりな心地です…涙

    あ、mono黒さまも匣好きですね!!私はCLAMPキャラデザのアニメ版を耽美な気持ちで愉しみました…。あれ、映画版は…関口君が椎名桔平はでかすぎると憤慨したまま観てなかった…これは観なくちゃですわ!でも、mono黒さまの世界観に馴染む感じ、納得です。儚く美しく、背徳的ですものね。エッセイにて名刺代わりの漫画を教えていただいた感じなので、…うん、やっぱり世界観が反映されますね。もし小説もあればぜひお聞きしてみたいです ♪
    あと、それでいうと鼻行類は美しくないのでmono黒さまとは正反対と思います…むしろ見てはいけない…(;^ω^)

    BL話、本当に良いもの見ました!本当、帰り道ずっと「どういうシチュエーション?」と考えながら歩きましたよ。こういうの、いいネタになるんですよね~~うふふ!

    別荘でもお世話になりますがこちらにもお越しいただき嬉しいです!ありがとうございました!!(>_<)
  • 凄い、読んだことも聞いたこともない小説沢山あります😳
    あとみく様理系女子なんですね!私全くもって数学ダメだったんで超尊敬です!

    京極夏彦さんと、村上春樹さんと、高村薫さんは読んだ事あるんですが、昔すぎて内容あまり覚えてない💦京極夏彦さんは一時期はまってシリーズ集めてたのに😅(匣に女の人いれてたような?)

    すいません、私そんな詳しくないんですが、村上春樹さんの名前を見て、あ、あとみく様の小説読んでる時の感覚と、初めて村上春樹さんの小説読んだ時の感覚似てるかもと思ってしまいました。
    ねじまき鳥だったかな?私って全てにおいてうろ覚えな人間なんですが💦
    ん?と時々わからなくなって、全く想像できる展開じゃない独特で不思議な精神世界と日常が交差してるような。てうまく言葉にできなくてすいません😣

    私は自分がわかる、安心して読めるものばかり、最近は読むようになってたんですが
    あ、自分の知らない世界観も味わえるから読書って楽しいんじゃんということを、あとみく様のおかげで今更のように思い出しました。

    そしてそして、大学生男子の話ありがとうございます✨
    もうこういう話大好きです😊
    小説といい、大学生といい、とても興味深い話しありがとうございました✨
  • >安藤唯さま

    わーー唯さま、お越しいただき嬉しいです!!えへへ、理系と言っても読み物としての理系好きで、ひとケタの足し算引き算だって両手を使う私です…(おい)

    京極シリーズは美少女 in 匣のやつです!私もミステリは散々読みましたが、言われてみればろくに覚えてないシリーズもいっぱいあるかも。。。久しぶりにその頃の記憶にアクセスしました(笑)

    そして村上春樹!!そうなんです、実は「黒犬と山猫」、最初わりとその文体を意識して、というか、村上春樹を読んでるときの自分、をベースに書き始めたんですよね。「僕」というひたすらの一人称で、現代日本が舞台だけど、ふとした拍子に変な世界と繋がったり…うんうん、ねじまき鳥で、井戸の中に入って戦時中の記憶と繋がったあたり(確か…(;^ω^))は非常に影響を受けてます。

    >ん?と時々わからなくなって、全く想像できる展開じゃない独特で不思議な精神世界と日常が交差してるような

    いえいえまさに目指してるのはそれなんですーー!!っていうか完全に言い表していただいて感涙です!あ、なんだ、伝えたいもの全部伝わってた、やったー(*´▽`*)/(笑)

    …ああ、安心して読めるものばかりって、そうですね。自分の世界観に合致したものばかり集めちゃってるかも。むしろハッとする気づきです!

    BL話は、皆様にシェアすべく日々観察しておりますので、楽しんでいただければ本望です。こちらこそ示唆深くありがたいコメント、感謝です!!!
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