ようやく暑さもおさまってきましたね、こんにちはあとみくです。
さて以前から近況ノートでお知らせしてきたんですが、一応最初から状況をばご説明を。
「黒犬と山猫!」は元々2013年から日記のように書きつづったお話で、数年にわたり断続的に書いていて、しかし後半はグダグダでなんとかピリオドだけ打った、というものでした。
それで、今回初めて投稿サイトで公開するにあたり、後半のグダグダは半ば見ないふりでがーっと更新してきたんですが…
うん、読み返してみると意外と後半どころかもうグダグダが始まっていた、というのと、他の作家様の完結作品などを見て「あーちゃんとハッピーエンドで完結させたい!」という思いが強くわきあがった、というのがありました。
それで、もしハッピーエンドに向けてこの話を修正するのであれば、まず夏のとある部分を変えて、そちらに舵を切らないとな、となって。
それで、変えてみた…というのが、今回の「お盆旅行」の「告白」の部分です。
はい、実は…
オリジナルでは、山猫が肝試しの後に過去を吐露するところまでは同じなんですが、翌日、クロは「お前の話を聞いて、自分の中に何かある気がする」というところ止まりで、告白まではしません…。そして山猫はというと、実家から電話が来て鬱っぽくなってしまい、熱で倒れてクロ母に看病されたのは実は山猫の方でした。
そしてその後、東京に帰り、クロは「お前のおかげで何かある」と創作活動に打ち込み、山猫は「過去を思い出しても現実は変わらない」と落ち込みながら、クロの創作の手伝いをする…。
そんな、展開でした。
というわけで…ここまで、こんな長いお話を読んでこられました皆様…お気づきになられましたでしょうか??
公園でのクロの告白の場面からは、2014年でなく2020年の、「今のわたし」が執筆しているということを!!!(笑)
いや~~~、実はですね、最初にこの「修正」を考えた時、「過去の吐露」の場面で、もう隠し事なしで、あの勢いでクロに告白まですればいいよってそう思ったんですが、書いてみたら山猫は告白せず、なぜかクロが告白していました。何だこりゃ。
そして、オリジナルでは救われきれなかった山猫を救ってやって、そうしたらその思考体系も変わって、そんで恋に落ちちゃったクロもちょっと別人なので、まあここから急に書き手が交代(いや、私だけどさ)しても違和感がないかな??みたいな。
あと一応言いますと、元々、私もここで山猫を救ってやりたくて書いてたんですが…当時は、「山猫が救われてしまうと、二人の関係の<何か>がなくなってしまう」という恐れ?があって、どうしても邪魔をしてしまったんです。
そしてクロの方も逆に、本当はまだないのに「<それ>を取り戻した」って言わせないと、物語が終わってしまう…みたいな。(あ、今回の告白と恋は、<それ>を取り戻したというより、「新しい何かを得た」という位置づけなので、ちょっと違います)
だから何が言いたいかというと、別に、元々のストーリーを捻じ曲げてわざといい感じに持っていってるのではなく、逆に、元々捻じ曲げていたものを、今回は、私が手出しせずにやってみている、ということです。
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と、いうわけで。
今ですね、旅行が終わって、東京に帰ってきて、その続きを書いております。とりあえず今7話書いて、うち6話をひとつの章としてあげられそうです。
うん、とりあえずは、章としてまとまったら、それを一日一話ずつ公開していこうかなと思ってます。だから章と章のあいだで日があいちゃうかもですが。。。
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とにかく、読んでくださる方には本当に感謝しかなくて、まさかまた今の自分が書けるとも思ってなかったし、本当に驚きとか感動とかしかなくて…。
でもまあ、楽しんで、書いています。
あの時できなかったこと。ユートピアを目指したいばっかりに、自分がそこへ行きたいばっかりに、彼らに、現実での楽しい日常とかを味わわせてやらなかったこと。
今ならもうちょっと自然に、やらせてあげれるんじゃないか。
そんな風に思ってます。
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最後にオマケ。
書いたのは私なので当たり前といえば当たり前なんだけど、読んでて、「うわー」っていう描写があったので、ネタバレついでに。
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「・・・何か、分かるよ。ナイフ握りしめて、突き立てて、思いっきり抉りたいんだ。なあ、そういうことだろ?」
「・・・そんなこと、したくないけど」
(略)「分かった。死体は俺が用意する。まだ生きてるうちから、心置きなく刺してくれ」
「・・・だ、だから、そんなこと」
「・・・喩えだよ。隠喩、メタファーだ」
~~~~~177話<野宿の顛末と心地よい朗読>より
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黒井が拳で、エア・ナイフを僕の脇腹に突き立てた。ぐっ、苦しい、寝た体勢で、前かがみに体を折れなくて、ただ痛みに耐えるしかない。拳はあばらの上をごりごりとこする。へえ、刺した後、中をぐりぐりする気なんだ?趣味がいい!
(略)「覚悟しろよ、抉ってやるから」
~~~~~262話<隠されていた記憶>より
…いや、自分でもまったく意識したわけじゃなくて初めて気づいて、ああ、ちゃんと予言を実行してたんだなーと感心したんです。全然「喩え」じゃなくて「物理」だったけど(笑)。いやそんだけ。
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なので、今日はいったん更新はおやすみで、明日から6話、更新して、その時に次の章が出来ていたら、また一日のおやすみをはさんで更新します。
物理学やらの難しい話はしばしおやすみで、たぶんしばらく、恋バカをやっとります。どうぞお気軽に楽しんでいただければ。
ではでは!