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迷宮雑駁 そのいち

迷宮についての小説を書いている。
ちょくちょく読んでくださる方がいるようで、嬉しい。大変読みにくいとは思いますが、よければこれからもお付き合いください。
いや、実際読みにくいなあ、とは自分でも感じていて、まさに迷宮のよう……ははは、と乾いた笑い。けれど、単純にしたくはないなあ、と思ったのは確かなことだったりする。

それは一本の紐だった。あいうえおかきくけこさし……、と文字を繋げた一本の紐をぱたりぱたりと折りたたんだ形が文章で、読みやすい文章とはこれがすんなりと解けて引き出せるものだと思うけど、じゃあ読みにくいものって何かといえば、たんぱく質みたいにぐちゃぐちゃに折り畳まれたような文章だとおもう。そしてそれはたしかに存在する。
前後の文脈のみならず、その両隣の行、あるいは別ページ、さらには単語を介して世界中の思想と架橋していたり、あるいは過去、未来と手を結んでいたりするわけだ。その最もたるものは奇怪な暗号文になってしまうわけだが、それはもうまともな読み物ではない。

まあ実際の話はとても単純で、頑張れば一話を三行でまとめられるとおもう。だから、よくわからないところや突然のポエジーな領域が出てきて辟易したら、平気で読み飛ばしても良い。もっとも、ここは迷宮なので、安全を確認せずに読み飛ばした後の安全性については、これを保証できない、とする。





1件のコメント

  • 旧字や本字を使った表記で密な文章は没入感に一役買いますね!(知った風な口を利く

    個人的に内容が魔法のようなものは倦厭しがちなのですがこのスタイルにはあまり見ないもので、惹かれます

    よくある様な文章より苦労されるかと思われますがすでに一編だけでなく続いているのが、只者ではない気配を感じる…感じました!

    ただこういうのは読者の頭がはっきりしていないと読めないのでそれを押し退けても読みたいと思わせる、内容の力、ストーリーの面白さが求められるのがこちらも勝手にドキドキしています…スタイルは高水準、内容は…まだ予断を許さない…しかしこれほどの作者…やってくれるはずだ!
    (公開分全部読んでから書けって話ですよね、すみません
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