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明智湖太郎誕生秘話⑤

まだあったんかい!
内輪話はいい加減に…という人は本編を…。


今回は、カクヨムで投稿をするにあたって、個人的に意識したことを。
別に、偉そうに語れるような立場では全然ないのですが、ミステリ好きのミステリ書きとしては、やっぱりweb小説という媒体でも、ミステリには頑張って貰いたいのです。
せっかくネット小説という新しい作品発表の場ができたのに、決まったジャンルしか流行らないのって、何だか腑に落ちないし、勿体無いと思うので。


今回、私が『諜報員明智湖太郎』を書くのに、ネット小説でややラノベ寄りということで意識したのは次の5つです。


① 謎解きに時間をかけさせないために、連作短編にする。

② 魅力的なキャラ(特に男性)の個性を前面に押し出す。

③行間を開ける。改行は普段より多めに。

④ イケメンパラダイスだけど、漢の浪漫要素や時代物としての重厚さも入れる。

⑤ 小ネタを散りばめ、ちゃんと最後まで読んでくれた方にはお得感を。


ラノベは、ぶっちゃけ殆ど読んだことがありませんが、過去に2次創作でネット小説を連載していた時に学んだことも踏まえて、こんな感じです。


まず①はミステリがweb小説でイマイチ流行らない原因の一つが、ネットだと、体感的に事件発生から謎解き、解決までが冗長に思われやすいという点だと思います。
私は京極夏彦氏のファンですし、尊敬して止みませんが、もしweb小説で『鉄鼠の檻』が匿名で投稿されていたら、途中で挫折する自信があります。
禅宗についての長い長いうんちく部分で、多分ギブアップです。
『鉄鼠の檻』大好きですけどね。
何故か理由は分かりませんが、ネット媒体は紙媒体の数倍、文章が長いと読む気を失います。
なので、『諜報員明智湖太郎』は連作短編にしました。
読者様が飽きないよう、一つ一つのユニットで、何かしらの動きを出し、駆け足にならない程度に、余計なエピソードは削ぎ落としました。
ですから、次回作を長編にしたいけど、飽きられない仕組みをどうすれば良いか目下悩んでいます。


②はイケメン男子が沢山出てくるというのは、女性の読者様を獲得する強みになると思ったので、とにかく全員をかっこよく、別のベクトルのイケメンであることを強調して書きました。
乙女ゲー的な楽しみ方もして貰えれば、という計らいです。
あと、明智と佐々木のちょっぴりBLを連想させる熱い友情も、そういうのがお好きなお嬢様方を想定していますw
私は残念ながら、オタクだけど腐女子ではないのですが、腐ったお友達は沢山いますし、BLに嫌悪感はないので、友人たちが喜びそうなすれすれの、妄想に任せるラインを狙っていきました。
妄想の余地がある方が、楽しいでしょう?


③は単なる技法ですが、昔初めてweb小説を投稿した時に「行間開けろ。読みづらい」と言われて以来気にしていることです。
特にスマホだと、ぎっしり横書きの文章が詰まっていると、読む気を失わさせられてしまうので、改行は結構拘っています。


④については、私が狙うは、万人ウケです。女性読者様もとーっても大事ですが、男性読者様にも、楽しんで貰いたいですし、私自身も近代史や男臭い世界観は好きなので、しっかりプロットを作り、話ごとにテーマや使うミステリ的な仕掛けを決め、次のエピソードに繋げるように組み立てました。
年表や地図を見ながら、使えそうな当時の時事問題も拾っています。
昭和15年のカレンダーで曜日も調べて齟齬がないようにしているんですよ、ちゃんと。
自画自賛で申し訳ないですが、4話ラスト、明智がした行動に対し、山本はダメ出しはしたものの応えなかったのですが、5話であの時のあれに応えている作りが男っぽくて好きです。
多くは語らぬのもザ・男ですし、明智だけでなく山本も心境が変化したので、5話でちゃんと一月越しだけど、応えてあげてるという演出を思いついた時は、膝を打ちました。


最後に⑤は、堤幸彦監督作品や本広克行監督作品みたいな小ネタのあるドラマや映画が好きで、解説本読んだり、何度も見直して納得するのが趣味だからです。
噛めば噛むほど味の出る作品にしたいじゃないですか。


以上が、『諜報員明智湖太郎』を書くにあたって意識したことです。
ああ、これが実を結ぶと良いのですが…。
それでは、今日はこの辺で、御機嫌よう。

2件のコメント

  • こんばんは、しちみです。
    『諜報員明智湖太郎』、読み切りました。というわけで、約束通り、簡単ですが感想を書きに来ました。
    チキンハートはレビューを書こうとすると思考停止するので、こんな形ですが、ご容赦ください。

    読みはじめてすぐ思ったことですが、想像以上に軽く読めたのが、驚きでもあり嬉しくもありました。
    ミステリーも読まないことはないですが、読んでいるときはそこそこ楽しくても、読後、なんというか「ふーん」で終わってしまう私でもどんどん読み進められました。スナック菓子のような中毒感!

    しかもひとつひとつのエピソードが記憶にちゃんと残ってて、また読みたい! と思えます。平成生まれですが、レトロな雰囲気も好きですっかりとりこになりました。

    明智がときおりダメな人になるのも、見ていて微笑ましかったです。最初はなんだかんだで冷静なスパイかな? と思っていたので、感情的な描写が出てきたときは、おおっ、となりました。…ハゲとか。
    あと個人的には松田がもうちょっと見たかったですね(笑)

    あんまり詳しく書くと長くなりそうなので、この辺にしておきます……なんだかまとまりのない文章になってしまってすみません……。
    ともかくお疲れさまでした。「日常」の方もぼちぼち読ませていただきます。

  • >しちみさん

    丁寧な感想ありがとうございます😊

    とーっても嬉しくて感動しております。
    やめられないとまらないの中毒になって頂けたなんて、作家冥利に尽きます。

    本編では、残り7人の諜報員たち全員にスポットを当てたかった結果、掘り下げが叶わなかったメンバーもいるので、その辺は『日常』や続編で補っていきたいです。
    ちなみに、松田は日常で早速スポットが当たってます。
    キャラが濃いので、使いやすいのですよね、彼。

    改めて、読了頂き、また評価や感想を下さりありがとうございました。
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