そう言われて投げつけられた石礫、俺は其れを冷静に観察した、そして……
「うわあああああ~父さあああああああああああああああああん!!」
「貴様ぁ!よくもやってくれたなっ!!」
……そういう雑音に一応返答してやる。
「????? 俺はただ石を投げつけられたから反撃しただけだぞ? お前の親父は、足元の地面からランダムに取得した石礫を俺に向かって全力で投げた。其れを同じく返しただけだ」
……10メートル程前に転がる、先程迄生きていた……まぁ今も痙攣しているからギリギリ生きている男と其れに縋りつく娘を見下し、俺は続ける。
「其の男と同じ様に、足元からランダムに「貫通力の高い鋭利で細長い」石礫を拾い、其の男の方角に向けて、今回は敢えて同じスピードで投げた。其れが偶々ランダムに「其の男の左目を突き破り、眼窩を破壊して脳漿にダメージを与えた」だけだ。つまり其の男も俺が同じ様な状態になるかもしれないという事を検討せずに投げたという事だな。自業自得だ……目の前で剣を構えるお前達も、後ろで弓を構えているお前達も注意しろ……俺は同じ程度で「反撃」をする」
……俺の丁寧な説明に関わらず、後ろから弓を撃ってきた3人の兵士は、俺によって自身が撃った弓を眉間に「反撃」された。
逃げ惑う人々。偶に愚かにも襲い掛かってきて「反撃」される兵士達。
「やれやれ、生まれてこの方俺から先に攻撃をした事は一度もないというのに……全く人間という物は愚かなものだよ……」