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俺の恋人は、ちっちゃい。

 天に誓って言うが俺はロリコンではない。寧ろ彼女と付き合い出す迄は年上の、巨乳じゃなくても美乳なら許せる、いわゆる「普通の体型」が好きだった筈だ。
 でも会社の同僚主催のコンパで出会った彼女の、さっぱりとして明け透けな性格に惹かれてしまって、俺の方から猛アタック、年も近い事などから彼女もおっけいしてくれて、今は俺のアパートで同棲している。

 ……

「……おい、おいっ!」
「……な~に~?」
 俺の呼びかけに間延びしたような声で返事する彼女。ベッドにうつ伏せに寝ころび、まぁ……俺もオタクだし人の趣味にとやかくは言わないが、表紙から乳首を露出した……男同士で文字通り乳繰り合ったイラストの小説を読んでいる。
 俺のおさがりの白いTシャツを着ているのだが、その下のキャミソールだったか? 其れは自分で選んでいる筈なのに妙にぶかぶかで、その……
「お、俺の前だからいいけど……其の、見えてんぞっ!」
「なにが~?」
「い、言わせんなっ! お……何ていうか、其の、う、上がっ!」
「え~君のTシャツ着てんじゃん」
「すっ、隙間からっ! み、見えてんだよっ!」
「……あ~、今のキャミは少し大きいからね~。見えちゃったか~」
 ……彼女は一呼吸置いて、此方を上目使いで見て
「興奮した?」
「し、してねえよっ! た、ただ、はしたないってだけでっ!」
「二人っきりだからいいじゃん~」
「よくないっ! そ、そんなはしたない格好してると外でもはしたなくなるだろっ!」
「君はあたしのおかんか! ……あ、もしかして他の男の目が心配とか? あっはは~、大丈夫だよ~、あたしなんかに声をかけてくる男なんか君位だって。実際最初のコンパでもそうだったじゃん?」
 ……確かにあの時、会社の同僚らしい女の子達に交じってぐびぐびとビールを飲みほしてる彼女に、俺の同僚は一人も声をかけていなかった。
「ま、君みたいな物好きも一人くらい居るかもね~」
「解ってるのならちゃんと服を着れっ!」
「だって君のTシャツ、あたしには大きすぎるもんっ」
「何で自分の服を着てないんだよ」
「いいじゃん、彼氏の服を着るとか憧れのシチュでしょ? ……興奮した?」
「しないっ!」
「ちぇ~」
 彼女は其の言葉に少しふくれっ面をしながらも、大して気にしてない様に立ち上がってぎゅっと僕に抱き付いてきた。
「ったく、抱き付いてくるなっ! 暑苦しいっ! こちょばゆいっ!」
「えへへ~♪ 相変わらずぷよぷよで気持ちいい~♪」
 彼女と俺の身長差の所為か、彼女が抱き付いてくるのは俺の胸じゃなく腹になる。少し……ほんの少しビールっ腹の俺に抱き付きすりすりしてくる。もし彼女が泣いてしまっても胸を貸す、じゃなく腹を……何ともしまらない話だ。
「うふふ~……ってそろそろお出かけの時間じゃん! 早く行かないと半額の玉子売り切れちゃう! もっと早く声かけてよ~!」
「30分前にもかけたぞ。其の時は生返事だったじゃねーか! まさかまだ寝転がって本読んでると思わねーよ」
「同棲して1年経つのにまだ判ってませんな、眠り姫は王子様のキッスで目を覚ますんですよ♪」
「そんなはしたない本読んでる眠り姫がどこにいるっ! ほら、さっさと着替えろっ!」
「あ~ん、良い所だったのに~! おか~さ~ん、着替え手伝ってよ~!」
「誰がお前のおかんだっ!」

 ……其処から30分後、やっと出かけた俺達はスーパーに急ぐ。談笑を近所のおばさん達と目が合う……一応説明はしてるのだが、やはり傍から見たらよくて年の離れた兄妹、最悪JS誘拐した犯罪者だろうな。
 彼女は手を組んで歩きたい様だが、俺の二の腕には届かないし……必然手を繋ぐ様になる。父親が迷子にならないよう子供の手を引いているみたいだ。彼女の歩幅に合わせて歩くと俺は必然ゆっくり歩く事になり正直疲れる。
「……いっそ、おんぶでもした方が楽かもしれないな」
「何か言った~?」
 ……彼女の服も、何というか……ドーム型? の帽子と割烹着……スモックという奴だ。これが楽なのよ~というが、もしスモックが青で帽子が黄色だったら……後はわかるな?
 近所はまだ顔見知りばかりだからいいが…… 今から行くスーパーはそこそこ大きく、隣町から来たと思われる客も多い。慣れたつもりだがまだまだ気が重い……。
「ほらほらっ、急がないと、今日は玉子抜きの親子丼になっちゃうよ!」
「誰のせいだよっ! 玉子抜きの親子丼とかそれ焼き鳥丼じゃねーかっ!」
「あ、鶏肉も買わなきゃいけないんだった」
「……其れも売切れてたらただの白米ごはんだな」

 大変な事も多いが、毎日が其れなりに楽しい。
 彼女が出来るまでは女優やアイドルみたいな美人と結婚して養って貰いたいな~とか思っていたが、やはりこういう「普通」が一番だよな、と思う。

8件のコメント

  • きゃん! きゅんな日々ですねっ。
  • くそ~。なんだかくやしいので、おまわりさんに通報しときました。おまわりさん、こっちです!
  • 小説にあってもおかしくないのに、近況ノートなんですね。
    「着れ」に道民を感じる……。

    彼女さん、かわいいですね。あるまん様が幸せそうで何よりです。
  • 一瞬、ある先に何が起きたのかと(笑
    まぁ、フィクションでも、ええですなぁ。良き良き。
  • 腹をかそうでツボった(⑉︎• •⑉︎)
  • かわいいでしょう。
  • 面白い!

    彼女可愛い!
  • 割と好評でよかった^p^
    これも実はAI作成……ではないですが^p^ AI絵が作成に大きく関わってます

    ……

    らき〇すたのこなたのAI工口工口イラスト見て、ちっちゃい彼女の話もいいな~と思っただけだがな^p^
    という訳で外観イメージとオタクな部分はこなたイメージですが、別に二次創作でも何でもないただの甘々ものです
    自分ではほとんど書いた事のない真っ当なラブラブものなうえ、正直オチらしいオチも思いつかなかったので^p^ 近況ノート掲載にしますた

    ……

    にししまさん、何時までもきゅんな日々、忘れない様にしていきましょう~

    魔女王様、タイ━━━━||Φ|(|´|Д|`|)|Φ||━━━━ホ!!!
    お、オデがごういうのを書いだっでええでねえがよおおおおおおおおお!!

    成野淳司さん、着れは北海道弁だったのか^p^
    後上記通り、完全なる(しかも書くきっかけが不純すぐる)創作でありんす^p^

    えろろんさん、お、オデだっで偶にばごういうギュンギュンずるもの書ぎでえんだどおおおおおおおおおおおおお!!

    めいき~さん、狙いますた^p^

    獅子2の16乗さん、書いてるのはオサーンですがー

    大木 げんさんありがとうございますうううううううううう!!
    自分もこんな彼女欲しいいいいいいいああああああああああああああ!!
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