■ はじめに
ビンゴをまた1つ攻略したので、みなさまにご報告します。
■ 攻略したビンゴマス
今回は『史上最高の推理小説100冊(No.27~35)』のマスを破壊しました。
ただし、いくつかは飛ばしております。
■ 各小説の感想
以下に、攻略した作品をすべて記載いたします。
なお、すべてが「重い」作品です。
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◆No.27
作品:『偽のデュー警部』
著者:ピーター・ラヴゼイ
初版:1983年
評価:◯
概要:歯科医ウォルターは、偽名に“デュー”を使ったため、名警部と間違えられて殺人事件を捜査する羽目に
備考:段々と名警部の魂が宿るウォルターの演技が面白い。トリックも満足
◆No.28
作品:『白衣の女』
著者:ウィルキー・コリンズ
初版:1860年
評価:◎
概要:画家ウォルターは地主の娘ローラに恋するが、彼女は婚約者の準男爵の陰謀に巻き込まれ――
備考:ヴィクトリア朝の最高傑作。著者に外れなし
◆No.29
作品:『死との抱擁』
著者:バーバラ・ヴァイン
初版:1986年
評価:――
概要:――
備考:近所の図書館になかった
◆No.30
作品:『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
著者:ジェームズ・M・ケイン
初版:1934年
評価:◯
概要:フランクは、豊満な人妻と組んで亭主殺しの完全犯罪を計画するが…
備考:因果逆転を皮肉った良質なノワール小説
◆No.31
作品:『ガラスの鍵』
著者:ダシール・ハメット
初版:1931年
評価:――
概要:――
備考:作者切り
◆No.32
作品:『バスカヴィル家の犬』
著者:アーサー・コナン・ドイル
初版:1901年
評価:△
概要:バスカヴィル家を狙う犬の足跡をホームズは追いかけ…
備考:可もなく負荷もなくな作品。コナン・ドイルとしては名作。
◆No.33
作品:『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』
著者:ジョン・ル・カレ
初版:1974年
評価:△
概要:イギリス情報部の中枢に潜むソ連の二重スパイを探せ
備考:スパイ小説の古典的名作。読みにくい。映画版はおすすめ
◆No.34
作品:『トレント最後の事件』
著者:E・C・ベントリー
初版:1913年
評価:△
概要:名探偵トレントは、夫の殺害容疑者であるメイベル夫人と恋に落ち…
備考:推理×恋愛の記念碑作。現代視点だと普通。トリックはそこそこ
◆No.35
作品:『007/ロシアから愛をこめて』
著者:イアン・フレミング
初版:1957年
評価:◯
概要:ソ連の標的とされたジェームズ・ボンドは、美人局員タチアナに一目惚れをされ…
備考:スパイ小説の名作。ボンドの魅力だけでなく、文体までもがハイクオリティー
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■ 私のおすすめ
ウィルキー・コリンズの 『白衣の女』(No.28)です。
こちらは、ミステリー作品のみならず、文芸作品としても一級品です。
こちらの作品は、「画家のハートライトが正体不明の“白衣の女”に出会ったことで、恐るべき陰謀に巻き込まれていく」というお話です。
本作の特徴は、全編を通して『誰かの手記を通して物語が進む』というものです
そのため、地の文全体がいわば「信頼できない語り手」となっており、読者は終始「なにか陰謀が起きているのは明らかだが、それがなんのために、あるいは誰のために起こっているのかがわからない」という疑問を常にいだいたまま読み進むことになるのです。
これにより、読者はページをめくる手を止めることができず、気付けば100p、200pと読み進めることになるのです。
本作は発売当時より大変なセンセーションを巻き起こし、ときの英国首相ウィリアム・グラッドストンは、友人との約束を破ってまで本作を読みふけったとのことです。
また、文章としても一流です。
私が気に入った一説(※記憶だより)に、
『あなたが好きな人の瞳、唇、首すじ、手の甲、足を思い浮かべてください。それが私、ハートライトが愛した女性の姿なのです』
という表現があります。
これこそが、読者に情景を想像させるテクニックと言えましょう。
なぜなら、「私が愛した人の姿」は、すべて読者に「必ず1人」はいるのですから。
『白衣の女』は、上中下あわせて計1100pという超大作です。
ですが、私もウィリアム・グラッドストンのように、すべての予定を押しやり、寝食を忘れて読みふけってしまいました。
正直に言えば、記憶を消してもう一度読みたいです。
みなさまも、『白衣の女』を手にとってはいかがでしょうか?
書店の平積み本を100冊読むより、ずっと上質な読書体験を得ることができますよ!
■ おわりに
ビンゴは完了しましたが、『史上最高の推理小説100冊』はまだまだ続きます。
目標は、No.100までの完読ですから!