まずは最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。
挨拶もそこそこに、今作に対するアレやコレやを話して行こうと思います。
まず話さなければならないのは、この作品の誕生についてだと思うので、最初はソレから話していこうかと思います。
そもそも今作『魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺』はE★エブリスタ様で活動していた頃に生まれた作品です。
ちょうど10年前頃です。
名前は出しませんが、当時私が好きだった作品が打ち切りのような終わり方をして、続きが読みたいなら自分で書けば良いという考えの結果、その作品をなぞるようにして生まれたのがこの作品だったりします。
その作品は今の私の好きと嫌いの両方が詰まった、まさに私の『癖』を形成していると言えるほど影響している作品でして、なので私の再スタートはその作品へのリスペクトから始めようと、今の私ナイズして書き上げたのが今作になります。
と言っても実は、書き始めた頃に想定していたものとは中身がかなり違ったりしています。
元々想定していた今作の最後は、サースが人類側で戦い、人類側で活躍し、フォルティスと共に2人の勇者として魔王と和解するor魔王の最期を看取るというのを想定していました。
それが途中から「そうだ、サースは最後に死なそう」「何かしらの形でサース・ハザードという人間を歴史に刻もう」「サース死ぬならフォルティスは死んでないとな!」など、より彼等を追い込む方へと傾いて行きました。どうしてこうなったのでしょう?
理由はハッキリしています。ラズマリアの存在です。
彼女は元々、今作をゲーム風にで例えれば魔王をラスボス、ラズマリアを裏ボスor真のラスボスにしようと考えていました。
それが蓋を開けてみれば、彼女があまりにも自己中心的過ぎて、魔王があまりにも便利キャラ過ぎて、何より私の文才が無さ過ぎて、結果このような終わり方になりました。
大筋は変わらないんですよ。でも中身が違う。そんな感じです。
具体的にブレたのは、やはりエンディングを複数用意したのが原因でしょう。ただの思い付き、でも絶対面白い、むしろそういうの大好きという私のエゴの結果、自分で自分の首を絞めました。
元々は最初に想定していたエンドと今作のエンドの2つを考えていました。でも実際に執筆してみれば、まぁ時間が取れないわ、物が思い付かないわ。結果出来上がったのはサースがどれだけ人界の人類に寄り添うかという物になりました。
今作カクヨム版のエンドは、要するに『現存人類の未来をそれでも見たい助けたい為に足掻いたエンド』です。
フォルティスとの卒業試験のあの戦い。あの戦いに到るまでにサースが経験してきたこと全てが、サースの中で「人間は魔族達よりも醜い。でも、それは大多数だけど、中には良い人も居るその人達の為に頑張ろう」そんなエンドです。
1度絶望したんです。でも、それでも立ち上がり、自分と向き合おうとしてくれた奴が居た。自分に良くしてくれる人間達が居る。ならそういう人達の為に戦おう。
そういう考えになったサースの最期がアレです。
サースはですね、実は書き始めた頃にはもう死なせるつもりでした。
想定通りに話が進まない。思った以上にサースが命を削り過ぎてる。分岐までさせた。よしならもう死ぬしか無いよな!総魔力量を増やすとか、超常の存在であるラズマリアと戦える力を身に付けるんだ、戦いの直後に死んでも当然だよな!
そんな理由で彼は死ぬことが確定しました。後悔はありません。とても清々しいです。
そもそも生かしたところで何が出来るんだって話でも有りまして、ラズマリアの討伐後は復興作業が待ってる訳ですが、アレだけ『破壊』され尽くしたたかが人間ごときが復興にまで力を発揮出来るのかって話なんですよね。
仮に死なせなかったとしても、じゃあその後の余生は誰が面倒を見るんだって話なんですよね。
魔王が見る?フォルティス達が見る?いずれもサース的には自殺を選ぶ未来しか無いでしょうね。
魔王との日々はそこそこ楽しいでしょうし、充実した物になるでしょうね。
でも、それまで強いから手を出されて無かっただけの人族ごときが至高の存在である崇拝の対象の魔王に面倒を見られてるって、他の魔族が見たらどう見えるでしょうね?
同じ理由で、人界に残ったとして、サースの利用価値は戦いによって限りなく無いに等しくなった。
そんな利用価値も無い人類の裏切り者を、他の人類が許すでしょうか?仮に許されて介護されるような暖かな日々が待っていたとして、そんな生活をサースが受け入れられるでしょうか?
サースはですね、あそこで死ねたことが幸せだったんだと私は思うんですよね。
だから死なせました。
次はメインキャラ達についてです。
当然最初はサースから。
そもそも私の名前の付け方はその時その時のインスピレーションで決めてます。なので約10年前の私が当時、何かしらのインスピレーションを得てサースと名付けたのでしょう。
ハザードはそのまま災害ですね。最初の『周囲からの評価は落ちこぼれ。いずれ最強に成ることを目標に日夜訓練している。』こんな設定で生まれたため、その努力が実って、いずれ周りを巻き込む災害のような奴に成るようにとハザードの名前を付けました。
性格は10年前のサースは年相応だったのですが、今作のサースは精神が磨り減って中二病真っ只中みたいな性格になりました。
まぁ、私の書き方の問題と、私の思い描く格好良い主人公像のせいですね、この感じのキャラは。
某劣等生の主人公のお兄様や、某国民的忍者作品のウチワの主人公のライバルとか、某妖怪の孫の夜の人格の方とか。まぁ似た系統ですね。
私は某国民的忍者作品の主人公とライバルの関係・在り方がとても好きです。大好きです。愛してます。表面的には闇堕ちしてるけど、心根の部分は正道というのが癖です。
なのでサースの性格はこのような形になりました。
今作カクヨム版のサースは某国民的忍者作品の主人公とそのライバルの「逆だったかもしれねぇ」ですね。
ちなみにこれは意識してません。この活動報告を綴っている今、振り返ってみれば……で気付きました。
とまぁ、そのぐらいあの作品のキャラクター性に影響を受けてます。
次に、魔王ですね。
魔王は、なんでしょうね。結果的に何でも有りの便利キャラでしたね。最後は闇堕ちしましたが。
モデルはシスコンが発動していない時の真面目な時のマグロお兄ちゃんです。マグロお兄ちゃんでわからない方は人生を少し損しています。今すぐ西尾維新先生原作・暁月あきら先生漫画の作品達を履修しましょう。私は某運命シリーズや某心シリーズや国民的冒険ファンタジーゲームの二大巨頭なんかに並ぶ作品だと思ってます。
マグロお兄ちゃんでわかる方、アナタは同志だと、握手していただくことは可能でしょうか?
とまぁ、マグロお兄ちゃんとは言いましたが、そこに人外的精神を混ぜてますし、やはり魔王なのでかなりプライドが高いキャラにしていました。急に傷付けられて激昂してたのは、思わぬダメージが入って、驚いて平静を保てなかったんですよね。「まさか自分が自分の部下より弱い存在にダメージを与えられるなんて」、みたいな。
魔王は元々サースとフォルティスにイタズラをするだけの悪友というキャラでした。そもそも魔界や魔王や魔族を敵視しているのは人間側なだけで、状況を客観的に見れば魔族側は何もしておらず、人類側がただ騒ぎ立ててるだけ、みたいな状況で、人類の希望、勇者であるフォルティスに反感を持つ人間が現れて、話を聞いてみれば「おもしれぇ奴」となり、サースの企てるイタズラが面白いと意気投合。7大罪の部下達含め、フォルティスへのイタズラを考えて実行してそれを笑う毎日。みたいなキャラでした。
それが今作になって、まぁなんともシリアス要素が増えて、ただの主人公を導く便利キャラに成り下がりました。これは私の力不足ですね。精進せねば。
そんな魔王ですが、実は最後の闇堕ちは最後の最後まで悩みました。悩みましたが、今作に於けるプロローグを思えば闇堕ちすることは確定してましたし、ならこのタイミングで闇堕ちしてもおかしくないかと思い、最後に闇堕ちさせました。
魔王と呼ばれてもバランスを考えてどの種族にも可能な限り平等に接していた存在が、闇堕ちして残虐性が生まれて倫理観失うって、まさに真の魔王誕生みたいで良くないですか?私は大好物です。
魔王の名前は最後まで悩みました。ただ考え付いた名前のどれもが『史上最高最強の魔王』の名前にしてはインパクトが弱いものしか浮かばなかった上に、マー君呼びを成立させるためにどうしても『マ○○』の名前にする必要が有ると考えていたので、最終的に響きが格好良いと前々から思っていた『マクスウェルの悪魔』から拝借しました。ちなみに考えていたのは、マークスマン、マーカス、マルコ、マックス、マキローガなどなどです。インパクト、弱いでしょう?
フォルティス・サクリフィス。
彼については、そもそも10年前と比べると全くの別名なんですよね。元々は『ゼット・サクリファイス』。ゼットは私が1番大好きなシリーズのゲームのヒロインの和名のミドルネームがZでZの響きが格好良いから。サクリファイスは音の響きが格好良いから。こんな理由で生まれたのが今作のフォルティスの元のキャラです。
元々はシリアスよりもギャグキャラ路線だった彼なんですが、今作の雰囲気に引っ張られ、そしてサクリフィスというただサクリファイスを弄っただけの文字通り生贄となったのが彼です。
『 』も言ってましたよね、1番可哀想なのはフォルティスだって。彼は色んな意味で可哀想なキャラにさせてしまいました。
サクリフィスは前述の通りサクリファイスを弄っただけなのですが、フォルティスは勇敢なる者=勇者という意味でフォルティスと名付けました。『 』が言っていた通りですね。
フォルティスについては本当に作者としても申し訳なるぐらい色々なもの、ことの犠牲にさせてしまいました。なので元々このなろう版では死んだままにするつもりでしたが、未練が晴れるまでぐらいの時間はと思い生き返ってもらいました。生き返った方が地獄なのかは彼の感じ方次第ですが。
ラズマリア。
元々名前はありませんでした。魔王の双子の妹で、メンヘラで、癇癪持ちで、誰も幸せにはしない。そんなキャラです。
名前については『 』が語っていた通り。死の天使アズラエルと悪の創造神アンリ=マンユから取りました。
このキャラは10年前の作品には居ません。完全に今作オリジナルのキャラです。
実はモデルは居ます。居ますが、それ以上は口を開くのを止めます。ただそういう似た経験を過去にしたとだけ。
彼女がフォルティスの体を乗っ取り始めた頃、彼女にとっては我が世の春でした。ようやく訪れた自由!って具合にやりたい放題やり始めていました。当時はまだフォルティスと主導権の取り合いを行っていたのでまだ鳴りを潜めてましたが。
彼女はとても嫉妬深く、愛に餓え、自分が大好きでした。何でも出来る兄に嫉妬し、そんな兄を褒める周りからはあまり褒められず、褒められても褒められたという記憶は残らず、自分は誰からも認められない存在だと、世界で自分を愛してくれるのは自分だけなのだと、どんどん自分の世界に閉じ籠っていったのが彼女なんですよね。
実は、天界に於ける今作のサースがまさにラズマリアなんですよね。あくまで彼等彼女等がそうなるに到った経緯はですが。
ラズマリアには魔王が居た。サースにはフォルティスが居た。
ラズマリアが魔王に勝ってるのは総魔力量だけだった。サースがフォルティスに勝ってたのは魔力を用いない分野全般。でもサースとフォルティスは本来魔力関連は逆です。だから彼女は散々暴れて封印されている間に企てたんですね、世界の王の力を剥ぎ、自分に近いと思う存在にその剥がした物を貼り付けその中に自分は潜むと。いつの日か、その貼り付けた物が開花して自分の力を使うようになり、あわよくば乗っ取れたら最高だと。例えどれだけ代を重ねたとしても、いつの日か自由になると計画して。
本来そんな杜撰な計画は成就する訳も無かったのですが、何の因果か何の間違いか、その潜んだ代で成就してしまったのが今作ということです。
実はサースが剥がれた物って、正確には属性とありとあらゆる才能なんですよね。属性はそのまま作中で語った通り。ありとあらゆる才能については、貼り付けたけど結局フォルティスの魂に定着せず再び剥がれて、それを人界君が回収してサースに貼り付け直した結果だったりします。
サースが総魔力量少ないのは、剥がされた衝撃で死に掛けた所を人界君に助けられた代償だからであり、定着せず剥がれた才能を再びサースに貼り付けられた代償だからなんですよね。
管理してるフォルダがウイルスで壊れた。だから似た物を横に用意した。でも完璧に再現は出来なかったから、最低限修復して、その壊れたフォルダに上書き保存して直した、みたいな話です。とても杜撰で危ない修復の仕方ですよね。
フォルティスの総魔力量の多さについてですが、これは某国民的忍者作品の主人公のお腹の封印みたいな感じです。ラズマリアの魔力がフォルティスに還元されて、フォルティスの魂から溢れ出た分がそのまま総魔力量として増えていったという感じです。
ちなみに還元されたことについてはラズマリア的には誤算でした。
最初から最後まで自己中心的に生きた我が儘娘。いつまでも大人になれなかった女。それがラズマリアというキャラでした。
他、特筆するべきキャラと言えば、ウィリアム・パリスだと思うので、彼についての説明でキャラについて最後とさせていただきます。
ウィリアム・パリス。名前の由来はそのままウィリアム・テルとギリシャ神話のパリスですね。元々弓系のキャラにするつもりだったんですよねコイツ。
それが何故か両足欠損男児になってしまい、登場理由も中途半端に終わってしまった、作者の犠牲になってしまったのが彼です。
本来のウィリアム・パリスはサースと対比させるために用意したキャラでした。某国民的巨人作品で例えれば、主人公の金髪の方の幼馴染みポジです。
主人公亡き後、主人公の想いも汲んで人類再興の御旗となる予定だったのが彼です。
天才系で近接大得意のサースに対して、凡人系で遠距離がそこそこ出来るウィリアム・パリス。英雄的活躍は見込めないが、民衆に寄り添い民衆を導く御旗にはなれる存在。そんな想いで生まれたのが彼です。
彼も10年前の作品には居らず、今作からのオリジナルキャラです。
とまぁ、こんな想いが有った為に幕間にて彼を主人公にした話を何度も入れたんですよね。読者様の中には煩わしかったり意味不明だった方が多かったことでしょう。その事については申し訳なく思っています。
でも必要だったんだとハッキリ胸を張ります。
活かし切れませんでしたが……。
とまぁ、基本的なキャラ達はこんなところです。
この作品を書く上で気を付けたことや意識したことを漏らそうかと思います。
恐らく読んでいて何人もの方が変な言い回しだと感じた箇所が何ヵ所も有ったかと思います。そういった部分の裏話です。
書き始めた頃、海外の方々と動画を録っているYouTuberの方の動画を拝見させていただいた際、海外と日本では擬音語、つまりオノマトペの使い方が全く違うという話をされていました。
そこで語られていた内容では、どうやら海外ではまずアニメや漫画などではオノマトペは使わないんだとか。対して日本ではオノマトペがむしろ使われて当然なんだとか。
目から鱗でした。なので、可能な限りオノマトペは排除しました。その結果、表現出来なかったりよくわからない表現になった部分が多々ありました。やって大変さを知りましたので、たぶんもうこの縛りはやりません。
この縛りを行ったのは、もしかしたら私のこの稚拙な作品を、もしかしたら海外の方も読んでいるかもしれない。グローバルな現代、海外の方々にも優しい作品をと一昔前の「オレ英語喋れるんだぜぇ」みたいな海外被れみたいなことをした結果ですね。恥ずかしい話です。
次に、例えば破壊の奔流だとか、魔法の幕のようだとか、その時とか好機とか、何度も和訳英語や日本語英語みたいなカタカナ表記で一言言えば良いのに変な言い回しをしているなと思ったことは無いでしょうか?
それは正解で、わざとでした。これの理由は、まずサース達が生きるあの世界のあの時代に、タイミングだとか、ビームだとか、弾幕だとか、そういう言葉って有るのかと考えました。想定した物はギリシャ神話。あの頃にこれ等の言葉は使われたのか?そう思った結果、使われてないと判断したため、今作のような言い回しになりました。
良く言えば世界観を大切にした結果とも言えますが、宣言します。2度とやりません。特にタイミングが縛れていたのは物凄くしんどかったです。使う単語として便利過ぎるんですよ、カタカナ英語。
続いて、実はシレッとしたポリシーだったのが、今作の話のタイトル、全て丸々同じ物は無いんですよね。
1字違いぐらい似てる物は有ると思いますが、全く同じ物は1話も無いんですよね。
実はこれ、物凄くこだわりました。これはやって良かったと思っています。
では次は、今作への想いを書こうかと思います。
今作は元々私の『毎日更新』という名の継続の訓練の為に始めた作品だったのですが、正直辛い時は何度も有りました。
ですが、そこで止めたら結局訓練の意味は無いと頑張った訳ですが、終わってみれば挑戦して良かったと思えるぐらいには満足感が有ります。
実は去年の年末に2度ほどその日の内に更新出来なかった時が有りましたが、それ以外は毎日更新出来たので、ノルマ達成と言って良いのではないでしょうか。
そもそもこの毎日更新をする上で魔俺をリメイクという形で書き直そう、魔俺で行こうと思ったのは既述の通りとある作品へのリスペクトと、その10年前の作品が完結出来てなかったからです。
私のポリシーで、1度書いて投稿したものはどれだけ無理矢理で打ち切りでも書き上げると決めています。
毎日更新をする。その上で続けられそうな作品。それほどカロリーが高くなさそうな作品。そんな判断基準の中から選ばれたのがこの作品でした。
モデルとなる作品があり、ある程度雛形も出来ているので、この作品はそういう意味でもとても都合が良い作品だったんですよね。
完結して、本当にこの作品を選んで、そして書き上げられて、本当に良かったと今は思います。
さて、では、取り敢えず一旦この辺にしようかと思います。
ある程度は語れたので、この辺にしておかないと文字数制限が……。
では、これにて、本当に『魔王の親友は勇者の親友的立ち位置の俺』は完結です。
次回作についてですが、草案はいくつも有ります。ですが草案以上に発展しないので、発展出来るまでは書かないつもりです。
今年はもう完全に休んで、また1月の末頃から連載を開始するかも……?ぐらいに考えていてください。
最悪また過去作をリメイクして書き始めます。
それではお疲れ様でした。
また何処かで。 by荒木空