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『胡蝶幻想』雑記録

カクヨムで公開した初めての短編です。
人を選ぶ内容だとは思いますが、個人的には気に入っています。

最初に書いたのはもう何年も前で、確か映画「禁じられた遊び」を見た際に、少年が幼い女の子に翻弄される姿が素敵だな、と思ったのが始まりでした。

戦争の悲哀とか描かれてる深い作品なのに、感銘受けるのそこなんだ、と思わなくはないですが……幼さ故の無邪気さや、秘密の遊びの延長から、罪に手を染めてしまう背徳的な雰囲気が好きでした。

蝶の死について語るシーンに若干のオマージュが含まれています。

映画では少年ミシェルが10歳、ポーレットが5歳なのもあって微笑ましいのですが、(「ここにキスして」とお願いするシーンは、とても可愛いです)主人公の晴葵がちょっとあれな子なせいで年齢もあがり、危うさが増してしまいました。

紗は無邪気な女の子にはしたかったのですが、年齢差のある幼い女の子を意識する出会いのシーンは、山岸凉子さんの漫画「蛇比礼(へみのひれ)」を参考にしました。

高校生の青年が、8歳の女の子、虹子に「黒の着物なぞ着てるから、一瞬まとまな女に見えた」とドキッとするシーンです。
虹子は妖艶で危険な子なのですが、魅入られて崩壊していくあの世界観もとても好きです。

偏執的な愛情、歪んだ関係性は好物なので、いっそ標本ごっこをしてみるとか、監禁してみるとか、後戻りができないところまで堕としてしまいたい気もしましたが、美しいものに焦がれ、それを誰にも(自分にも)傷つけられたくない、という主人公の心情とテーマを守るために踏みとどまりました。

周りから見ると異常でも、本人にとっては純愛なのです。
まぁ純愛も、道を踏み外したら最後、どうなることかわかりませんが……

そんな危うさを含んだ恋愛ものが好きなので、これからもそういう作品を描いていきたいと思います。

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