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愛し子スローライフ、あとがき

こちらは『愛し子はポーション作りとスローライフを満喫しています』のあとがきになります。
最終話、エピローグ、もう一つのエピローグまでのネタバレを存分に含むので、まだ読み終えていない方……でここを見ている方はいないのではと思いますが、お気をつけてください。


まずは随分長くなってしまいましたこの小説を、最初から最後までこうして読んでいただいて、ありがとうございました!
ここまでの長編を書いたのは久しぶりだったので無事に完結まで書ききれるか当初はとても不安でしたが、こうして完結することが出来てほっとしています。
それもこれも、読んでくださる皆さまのおかげです。
元々私はやる気がある方ではないので、完結までのストーリーはざっくり決まっていても、それをまとめたり入力したりするのが本当に時間が掛かる上にまあとにかくも苦手ですので、応援してくださっている方がいるんだなあと思うことでとても救われました。

これまでも何度かお話はしましたが、愛し子は元々短編で書くつもりで作ったお話でした。
あっさりまったりほのぼの平和!といった感じの優しい物語に当時飢えておりまして。恋愛要素は大してなく、最初の案では壱弦と精霊さんは長編の時と変わらずイチャイチャする感じでしたが、アイネは登場するかしないか微妙なラインでした。
短編でアイネまで出すと、ちょっと長くなるなあと思っていまして。
なので本当に、精霊さんとポーション作ってまったりするだけみたいな感じでしたね。
けれど設定を細かく詰めていくうち、これは長編で書いたら面白いのでは?と思い、作り直しました。
精霊王、魔王、妖精の女王、家族、幼なじみなどは設定上はあっても短編には出てこない感じでしたので、長編になるにともなって名前やきちんとしたキャラ設定などもつけられました。
騎士さんは短編だと、出番はあの序盤のあそこだけでしたが、長編になるにあたって名前がつき、あのようになりました。
ちなみに騎士さんは短編の頃からめっっっちゃやさしいいかつい騎士さんがテーマだったので、性格はあのままです。

この小説を書こうと思ったきっかけは、つらいことや悲しいことが多かったことが大きかったです。
好きな俳優さんが続けて自ら命を断ちまして、なによりそれが大きかったですね。
この小説よりも前に書いていた長編小説の更新が止まっているのですが、実はあの小説の次の話が自死がテーマでしたので、つらくて書けなくなりまして。
そうこうしているうちにどんどん感染症が流行り、好きだった漫画が諸事情で打ち切りになり、そんな時に読んだのが『僕とロボコ』という漫画でした。
……題名出して大丈夫ですかね?ダメだったらあとでちょこっと直します。
その漫画はびっくりするくらい優しい世界で、明るくて楽しいもので。
そんな世界を書きたい、と思って作ったのが愛し子スローライフです。なので、その漫画がなければこの小説は生まれていません。
ジャンルも内容も人物も全然違うものですが、実はそうなのです。

あとは、そうですね……
この小説は裏側の話かな、とは考えています。
はっきりいってしまえば幼なじみを主軸とした話の方がストーリーも大きく動くし面白い、表側の話だなあと個人的には思っています。成長も大きくしますしね。
壱弦を中心にしたものは動きが少なく、とても平和で、大きな事件もありません。
幕間をいくつか入れたものの、壱弦一人の視点では語られないことがいくつもありました。
そのあたりはお好きに想像していただいて良いと思いますし、機会があれば書くこともあるかもしれません。
柚が一人だけ目覚めるのが遅かったのはお察しの通り異世界に一人で滞在を続けたからですが、そこであったこととか、出番が少なかったヨハネの辺境に来る前のこととか、遥都のこととか、色々ありますが……。矛盾のないように設定は作ってあるつもりですが、長くなると色々不安ですね。

愛し子スローライフの終わり方は、壱弦に同世代の友達が出来て、そうして終わりました。
幼なじみのことがあり、ずっと友達のいなかった壱弦にとって、とても大事なことだからです。
辺境の街で過ごす間も親しくなる人はいましたが、年の離れた人ばかりで友達という感じではありませんでした。
アイネの友達は女の子ばかりですし、キューちゃんは男の子の友達もいて壱弦とも面識はありますが、妹の友達感が強いので壱弦と友達になる感じではないです。
結婚式を書かなかったのは、友達という繋がりと、穏やかな事件性のない辺境のゆるい感じをより強く見せたかったからです。
あとは結婚式を最高の幸せ!といった感じに文字で表現する技術が私に不足しているということもあります。とにかくめっちゃ幸せなんだなあ、と想像していただけたら幸いです。
知らない間に傷ついてぼろぼろになっていた壱弦の心が、穏やかな優しさばかりの世界でゆっくり癒されていくこと。その中で、逃避ではない形でこれまでのことを受け入れて消化して、幸せを感じてくれること。それが書きたいことでした。
一番の功労者はもちろん精霊さんです。可愛い!すごいぞ!

もう一つのエピローグについてですが……。
壱弦視点の本編ではなるべくヘイトを集めないようにまろやかに書きましたが、例の幼なじみの心のうちも書きたかったのです。
人にもよるでしょうが、軽い気持ちでああいうことをする人もいるでしょう。壱弦が死ななかったのは運が良かっただけで、いつそうなってもおかしくありません。
異世界での記憶はなくても、抱いた後悔はどこかで覚えていて、ああいった感じになりました。
私個人としては、幼なじみのこともとても好きです。これからゆっくり、幸せになってほしいですね。きっともう、自分がしたことはわかっているし、忘れないでしょうから。

壱弦が幼なじみに抱いている感情は複雑ですが、マイナスなものではありません。
実家の母や、他の人から今の様子を伝え聞いた幼なじみと、いつかの日にどこかの街で再会する日もあると思います。

話したいことは色々あった気がするのですが、ほんと忘れますね。いえ、まあ本編で書ききれて満足している、ということもありますが。

最後になりますが、長々とここまで読んでくださり、ありがとうございました。
怪人のハートはヒビの入ったガラス並みに脆い上に手首も腱鞘炎に敗北する貧弱な底辺野郎なので、何回も書くの無理と思いましたし、めっちゃ友人に愚痴ったこともありました。それでも最後まで書けたことは本当に、読んでくださった皆さまのおかげです。
最後まで読んでいただけたこと、小説をフォローしてくださったこと、星をつけていただけたこと、星と一緒にコメントをいただけたこと、応援をつけてくださったこと、応援コメントをいただけたこと、誤字報告をくださったこと、心から感謝しております。
本当に、ありがとうございます!

こまめに応援コメントをいただけたこと、読んだその瞬間の感想をいただけることもとてもありがたかったです。それから誤字報告はほんとめちゃくちゃありがたかったです!何回見ても誤字はいるので!書いている時を含めず三回以上はチェックしてから更新しているんですが、それでも誤字ってあるんですよね。ほんと不思議だなあ。
ちょっと話がズレましたね。
幕間として物語を補完しよう、と思ったのはコメントの内容を見たからです。お一つお一つにお返事はしていませんが、どのお言葉もしっかり受け取って噛み締めております。
それから星と一緒のコメントも、ありがとうございます。
優しい話と受け取っていただけて、本当に嬉しかったです。まさにその優しい世界が書きたいものでしたので。ありがとうございます。ものすごく嬉しかったです。

次に書こうと考えているものは具体的にはまだまとまっていませんが、普通に短編とか、長くなっても五万字以内が良いなあとしみじみ思っています。
長編をたくさん書ける人って本当にすごいなあと思います。
オーソドックスにファンタジーとか、つがい系のものとか、暗くてドロドロしたやつとか、魔女と弟子のやつとか、ネタは色々あるんですけどまったく設定は作り込めてないので、次は何になるんですかねえ。
最近は美乳女子と王子女子がファンタジーゲーム内で農業をやる話とかを考えているんですが、まずゲーム設定が膨大すぎて頓挫しそうなこの頃です。短編の設定量じゃない。

長くなりましたが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
それでは、いつかまた!

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