(金曜の夜、いつものカクテルバー)
吉野「あ、そうだ。リナが、お前がアメリカ赴任から戻ってきたお祝いって、ベルギーの叔父さんに頼んであの美味いベリーのチョコ作ってもらったって。お前の分預かってるんだった。今日持ってくるつもりで忘れた……悪いな。今度でいいか?」
岡崎「ん、そうなのか?あー、そう言われると今すぐ食べたくなるな〜。今日お前んとこ寄ればいい話だろ?」
吉野「……んー。今日はやめとけ」
岡崎「はあ?お前、自分が忘れたくせに拒否るのか?ますます食べなきゃ気が済まなくなっただろうが」
吉野「…………
……お前がいいなら、今日でもいいけどさ」
(吉野の部屋)
岡崎「(ソファにどさっと座り上機嫌)よし順くん、じゃ早速一緒にベリーのチョコを食べるぞ!二次会だ二次会〜」
吉野「…………(黙ってテーブルにチョコの箱を置き、蓋を開ける)」
岡崎「(嬉しげに手を伸ばし口へ運ぶ)ん〜、やっぱり美味だな。久しぶりだから美味さひとしおだ。リナさんにお礼言わなきゃな」
吉野「…………味見したい」
岡崎「ん?箱にまだたくさんあるだろ」
吉野「そうじゃなくて……お前が今食べてるそれを味見したい」
岡崎「……は?」
(吉野、いきなり岡崎の手首を掴んでぐいっと引き寄せる)
岡崎「————」
吉野「…………
……ほら見ろ。
俺も酔ってんだよ。——これ以上いるとこうなるから、今日はもう帰れって」
岡崎「————
(自ら身を乗り出し、吉野の顎をぐっと引き寄せてキス)」
吉野「………………んん……っっ!!?」
岡崎「————どうだ?
俺のチョコ、ちゃんと味わったか」
吉野「(突然の衝撃に口を覆いカッと赤面)…………っ……
…ん……んうっっまかった……っ!!」
岡崎「(更に吉野の首をぐっと引き寄せ)…………で。
味見はチョコだけでいいのか」
吉野「………………(じわっと涙目)……
『……酔ったアキラくんがオオカミすぎる……っっ…!』」
✳︎今年のバレンタインは、本編中でそれぞれ別の相手とデートだったため(笑)、バレンタイン代わりになる甘々シーンを書いてみました(//∇//)♡お口に合いましたでしょうか?(笑)