※15話以降の話
いすずの料理は、ヌメっとしたり、グチャっとしたり、ガリガリしたり……とにかく色々な味と食感を楽しむことができる料理を作ることができる。
どうしてそんな料理を作れるんだろう? 俺は密かに気になっていた。
なので、お願いしてみることにした。
「いすず! 今日はお前の作ったカレーが食べな! 頼みますいすず様!」
「しょ、しょうがないな。お兄ちゃんのために作ってあげよう!」
「ふっチョロいな」
ということでカレーを作ってもらうことになった。
さぁ、一体どうやってあんなおぞましいものを作れるんだ!
「えっとカレーには、にんじんとジャガイモ、玉ねぎと肉を入れるんだよね」
「あぁ、そうだな。先ににんじん、ジャガイモを炒めてから玉ねぎや肉を入れるといいぞ」
「なるほど、なるほど」
いすずは包丁で食材を切り出したのだけど、切り方はバッチリだった。
が、
「あとは長芋、プロテイン、ピーマン、ゴーヤをいれ「まてまてまて」」
別の食材を出した辺りで、いすずを止めた。
「バカ! なに、他の食材を入れようとしてるんだよ!?」
「えーだって、足りないじゃん」
「は!? なにが足りないんだよ!」
「だから、ビタミンやタンパク質なんかがだよ。一気に食事で得られた方がいいじゃん」
「(唖然)」
「味は美味しいし、最高だよね」
どうやらあのいすずが作った料理を、本人が食べて美味しいと思うらしい。そうとうな味覚音痴なのかもしれない。
「(本人は、食事を栄養を摂るためだけに思ってるっぽいな)」
「と、とりあえず今日は余計なものを入れず作ってみてくれないか?」
「えー」
「なっ頼むよ!」
「しょーがないな」
こうして余計なものを入れずに作ったいすずカレー。
「いただきます。ぱくっ、めっめっちゃうまい!」
「本当? よかった!」
プロ級の味がした。
いすずは料理にプラスし過ぎるからいけなかったのだ。
「これからは、プラスする前に止めないとな」
そう誓ったが、、、
「お兄ちゃん、おまたせ!」
「あ、ありがとう」
「全部召し上がれ♪」
止める前に作られると、完食するしかなかったのだった。
「んー、やっぱり美味しい!」
「左様ですか……」
おしまい
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