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幻想廃墟

またの名を、君がここにいた証。

こちらは、「なんかもう本当にどうしようもないM人間。さま(どM。さま)」こと「廣末あんり」さまこと「六丸筆極《ひろすえあんり》」さまこと「あんり」さまからいただいたコメントとレビューの掲載ページになります。

ご本人様から、許可をいただいて掲載しております。

本当に、本当に、たくさんのコメントをありがとうございました。

今 後 と も よ ろ し く お 願 い い た し ま す ! ! (あれぇ?w)

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――空の器にそそがれるのは、声か涙かそれとも命か。


★★★ Excellent!!! あんり


主人公は誰なんだろう?
作者様の仰る通りティアとエルスの双頭体制なのか、対抗馬にもってこいのフィディールなのか、それとも大穴でルーシーなのか……。
この物語は群像劇の体をなしていますから、読者は好みのキャラクターを追いながらストーリーに着いて行くことができます。“一方その頃”が多く、場面の保管をきっちりとしてくれますから、誰を好きになってもそうそう損をすることはありません。

ちなみに私は兄貴ことハインツが好き。

伏線の多い作品ですが、読み進めて行く中での読者自身による謎解きは意味をなしません。作中で起きる・起きた事件は全て舞台装置――語弊を恐れずに言わせていただくならば、目くらましのようなものだからです。キャラクターたちを精神的にも肉体的にも動かすためには、ああした大きな事件たちが必要だったのでしょう。もちろん、とてつもなく練られた構成の物語ですから、展開を追っていくだけでも十分に面白いし、没入して楽しむことができます。ですが主役はあくまでもキャラクターであり、彼・彼女らの言動の中に作者様が訴えたいことが全て宿っていて、それらを公開するためにこの作品は仕上げられたのだろうと私は思います。

そんなの小説だから当たり前だ、という意見もあるでしょうが、それにしてもこのエネルギーのかけられ方は凄い。
この作品には、最初から最後まで区切りというものがありません。もちろん章はありますが、一旦ストーリーが切れる、というタイミングが無いのです。80万文字を超える物語でありながら、展開はまさに電車道。ライトノベルを知り尽くした作者様がこれをやる意味を考えた時、私は「あぁ」と声をもらしてしまいました。この作品は、書籍化を目的として書かれたものではないのだと。これだけのものを仕上げられる能力を持ちながら、そして書籍化の条件もある程度心得ていながら、作者様はこの構成を選ばれた……そこまでして、何か訴えたいことがあったのだと。頭からクオリティを保ったまま、80万文字です。単に“好きだから”という理由だけでできることではありません。もっとも、こんなことを面と向かって言ったところで、作者様は「いや^~書くのが好きなんで(笑)」と仰るだけでしょうが……。

結局、ちょこちょこと何回か読み返していますが、作者様が一体何を訴えたいのかは分からないままです。何となく分かるような気がする時もありますが、まだまだ道のりは長い長い。これは描写不足から来るものではなく、自己弁護させてもらうなら私の読み込みが甘いからでもないのでしょう。慎ましい主張を互いに察することができて初めて分かり合える――それが日本人どうしのコミュニケーションの良い所。その途中なんだろうなと思います。おかげで読むたびに違った感想を抱けるのは、とても嬉しいことですね。……いつかは分かり合えるかなぁ。

おすすめしたいこの物語の楽しみ方は、自分を空っぽにして、書いてあることをそのまま受け入れて行く……これです。まさに、『考えるな、感じろ』。他の読者の皆さまの『考えないで感じる』ことを邪魔してはいけないと思い、私は応援コメントの投稿をある時点から控えました(多忙だったからでもありますが)。ちなみに、この作品はコメント欄もとても面白いですから、本編と併せて読んでみてください。読者と作者様の楽しいやり取りは必見です。



空(いま)の器(あなた)にそそがれるのは、声(ゆめ)か涙(いのり)かそれとも命(こころ)か。

主人公は誰なんだろう?
それはきっと、この物語から何かを受け取り、多かれ少なかれ変わるであろう読者(あなた)なのだと思います。

ちなみに私はこの物語から、誰かを想うことの尊(つみぶか)さを受け取りました。

どこがどう変わったかは、エミリア・ブラーナのみぞ知る。

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