テキストのコンテストに応募するのは初めてだったこともあり、感じたことがたくさんあったので、その内容を自分の記録がてらここに残しておくことにしました。
内容は応募作のネタバレを含みますので、もし下記をお読みになる方がいらっしゃれば、よかったら先に応募作をご覧いただけたら幸いです。
■良かった点
・何よりもまず、完結できてよかった。相手に伝わるかどうかわからない(そもそも読んでもらえるかどうかすらわからない)ファンレターだが、書いて出さないことには始まらないので、そのハードルを越えられてよかった。
・育休中で時間が取れない中でも創作はできるとわかった。
・やっぱり自分にとって創作は楽しいことだと再確認できた。特に、絵やネームを描かなくても、ストーリーとテキストが作れればそこそこ楽しめることがわかった。
・アナデンというゲームの制約(フィールドやグラフィック、モーション、テキストの文字数 等)を意識して書いてみたことで、制約に合わせて演出を考えることは自分にとってあまり苦痛でないことがわかった。
・字面でぱっと頭に入りやすいセリフとそうでないセリフがあるらしいことを再認識した。具体的にどうすれば前者になるのかはまだわからない。
■反省点
・ただただ実力不足だった。ファンレターでありクエストとしても面白いものを書こうと思って作り始めたが、肝心のクエストとしての面白さが全然足りなかった。痛恨の極み。
・ファンレターを作るべく、初めて構造オマージュをやってみたが、自分にはあまりにも難しかった。「この要素を削ればシンプルになるのにオマージュ元の肝なので削れない」という制約が、自分にとっては苦しいものでしかなかった。もうやらない。
・(オマージュしたせいもあるが)企画が弱すぎた。概要をぱっと見て読んでみたいと思ってもらえるものに出来なかった。
・時間がかかりすぎた。11月中(遅くとも昨年内)には完成できると思っていたが、結局締切間際になってしまった。ファンレターとしてやるべき構造は決まっていて、それを無理やり1本のアナデンクエストに仕立てることに苦労した。苦しいプロットを無理やりまとめようとするのは、時間がかかる上に出来も良くならず、メンタルによろしくないことと思い知った。将棋と同じで、長考した手は良い手ではないのかもしれない。
・設定(読者に覚えてもらわないといけない情報)が多くなりすぎた。どうやら自分の癖として、キャラの言動の矛盾を解消しようとして設定を付加する傾向があるようだと気付いた。シンプルに作れるようにならねば。
・『巻き戻しの奇跡』という能力設定は、ストーリーにかかわるギミックにもっと活かせそうだったのに(例えば、終盤で死にそうなキャラの時間を戻して傷を治す等)、そのような使い方が出来なかったのが勿体なかった。正直自分としては、このプロットで扱うには応用が効きすぎて持て余す能力設定をしてしまったように思う。
・5話になってようやく話が動き出したのが遅すぎた。読んでいてダレる。
・小説の肝とも言える地の文による描写を省いて、ほぼほぼセリフのみで書いてしまったために、読みづらくなってしまったのと、繊細な心理描写がしづらくなってしまった。それから、この形式で2万字書くのはサブクエストには長すぎた。6話くらいで済むと思っていたのに9話まで延びたのは痛恨。いずれの点も、セリフ中心に書こうと判断した自分のミスに他ならない。
■どうでもいい情報(自己満足)
・巨焔石は「大きい 火」の石。
・4話冒頭で娘が飲んでいる紅茶はヒマラヤン・チンパンジー。
・セリフのオマージュも、(いわゆる名ゼリフではなく少しマニアックなセリフで)やろうとしたが、自分がやるとなんだか無粋に感じられたのでやめた。
・文中の◆◆◆は、暗転を伴う場面転換。
以上