• エッセイ・ノンフィクション

生まれ変わるキッカケを模索中のイタイケなオイラ。

 私は子供の頃から超テレビっ子で、なかでも漫画が一番好きときたものだ。
おまけに音楽好きの模型好きでもあった。
 そんな私はいい年齢のオッサンだが、才能もないくせに5年ほど前から趣味
でいろいろな設定やストーリーのアイデアを形にし始めたりしていた。漫画家
になろうとも思わなかったが、脚本やシナリオ、もしくはネームくらいにはな
りそうなことを想定していた。しかしながら仕事の忙しさで完全に忘却してし
まっていた。その後、不幸にも病気で体調を悪くして、それもひとつの原因で
勤め先を退職して治療に専念することにした。病気はほとんど回復したが、借
金を返済できずに大変なことになってしまった。泣く泣く低賃金の派遣社員や
タクシー運転手までやらざるを得なかったが、この時期に以前に構想した内容
をふと思い出して、続きに着手しようかと思い始めるようになった。しかしな
がら、資金難のために新築マンションを手放し、私物をネットオークションな
どで売却したりと多忙を極めて、それが終わって一段落すると、今度は関節炎
と神経痛とに困らされることになった。無職のままで月日が過ぎてしまった。
マンションを売却したことで借金も全額返済して釣りが来たので、堕落してし
まったというのもあった。
 さて、小説を書くか?脚本を書くか?どちらにしてもアイデアと題材は、自
分の頭の中に全てある。ざっと二十本くらいはあるだろうか。生活費は来月に
も底をつきそうな状況になってしまったが、これらをやり遂げずに生きていて
も、何が自分の人生だろうか。この先、求職活動をしたって派遣の技術者かコ
ールセンターか配送かタクシーしかないだろうな。体が老いたり病気が再発し
て地獄になる自分が恐ろしくなって悪夢のように脳内でささやいてきて、眠れ
ない夜もたびたびあった。働きながらでも、やるしかないな。とりあえず文字
を叩きこむか、小説の構成だのルールだのあるんだろうが、まあどうでもいい
じゃないか、後でいくらでも修正するさ。令和になって生まれ変わった気分っ
てわけじゃあない、そんなに都合よく人間の意志とか「やる気」なんて強くな
いし、続かないものだよね。
 そんなとき、目に留まりました。「アニメ新世紀宣言」の体験談ですと?
1981年2月、劇場版ガンダムの上映直前だと。あああ、あの時代!おそらく数
年早くとも遅くとも、巡り合えなかったであろう、「テレビまんが」じゃなく
て、「テレビアニメ」。勧善懲悪の単純ロボットまんがじゃなくて、人間を描
く戦争ロボットアニメ。前年にガンダムをリアルタイムで視聴して夢中になっ
た私は、どっぷりとガンダムに浸かっていた時代だ。良いのか悪いのか、そん
なことはわからないが、明らかな事実は、でかい革命が湧き起こったんだ。
 さて、アニメ新世紀宣言の体験談でも書くかな。私にとっては、あれは昨日
のことのように鮮明に記憶していることだからね。あの時代に生まれたことに
感謝するしかないな。

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