狩野晃翔《かのうこうしょう》

ぼくはミズキにユウくんと呼ばれていた。そのミズキとデート中、ミズキの携帯にメールが入った。送信相手はユウくんＣ。 一体きみには何人のユウくんがいるの。

亡くなった娘はいろんな場所に出没して、いろんな人に会ってたみたいなの。 でも、それはやはりよくない。わたしたちはあることをして娘を、天国に導きました。

フォークソングを練習中。聴こえてきたハーモニー。 その声の正体は？

昭和の時代。若者音楽がフォーク全盛の頃、多摩川の土手で歌っていたぼくに声をかけてきたのが タエコだった。ぼくは彼女に恋したのだけれど、ある日彼女は突然いなくなってしまう。

５年前、よくミニコンサートに来ていた女子高生。あれから５年。今度は彼女たちが歌を歌っているという。 そのライブ会場で初めて知った彼女たちの秘密。

１９７０年代。ぼくは毎月フォークコンサートに参加していた。 そこに来ていたチェリーさん。ぼくは今、あなたの思い出を回想する。

ぼくは２１歳になった。久々に彼女ができた。 だけどある日ぼくは、彼女の裏の顔に気づいてしまったんだ。

同じ飼い犬、柴犬同士で知り合った女性。その飼い犬が亡くなったあと、ぼくが見たものは。

アルバイト先に客としてやってくる年配女性。ぼくはその女性に母のイメージを抱いていた。

オートバイを通じて知り合った女子大生。彼女と最後の約束は 果たせるのか。

桜満開の小さな公園。その公園のベンチが、老人の指定席でした。

トミジはしがない廃品回収業者。しかし金庫に閉じ込められていた妖精を助けたことから、 運命が好転します。

ゴミ拾いを続ける毎日。やがてそこに春が。

ぼくたちは夜明け前の屋上にいる。団地の屋上から、ぼくたちは明日を見つめる。 さよなら、すれ違いばかりだった、ぼくたちの風たちの日

高層団地の屋上。死を決めたヒロミを思いとどらませることはできるのか。

みずから死ぬことを選んだヒロミを、助けることはできるのだろうか。 いや、助けなければならない。二人のためにも。

マンモス団地の高層屋上でたたずむヒロミ。それを思いとどまらせるには、どうしたらいいか。 そうだ。あれしかない。ぼくが得意とする、あれ、だ。

絶望の中で、一縷の望みがあった。それはヒロミが晩秋の上野公園で話してくれた彼女のこだわりだ。 ヒロミ。早まるんじゃない。ぼくは必ず、おまえを見つけだす。

深夜の環状七号線。ぼくはオートバイを走らせた。 あの日にほんとうの、ピリオドを打ちたくて。

ボタンの掛け違いの恋は、こうして終わってしまうのか。 最後の望みを託して、ぼくはヒロミに告げる。 その言葉とは。

今までの恋は何だったのか。こうして恋は終わるのか。 しかしぼくが残した最後の言葉に、恋は不死鳥のようによみがえる。

あれからの物語を、ヒロミは話し始めた。

ぼくのつまらない矜持で、こんなに捻じれてしまうなんて。

少し前、話題になっていた女性をモチーフにしたフィクションです。

やっと成就するかに思えた愛。しかし神はやはりぼくに試練を与えたようだ。

十和田湖で結ばれたカップル。その物語を読んで、ぼくも夏の十和田湖に出かけた。 夜空は満天の星。ぼくはここでヒロミと結ばれたい。 しかし大きな壁がそこに立ちはだかる。それは喫茶店ポ…

女性ライダーは昔、先生のオートバイに乗せてツーリングに出かけた少女でした。そう。少女は過去を清算するために、みずからオートバイを駆り、その地にやって来たのです。

思いがあるなら、恋愛はいつだって振り出しに戻れる。生活環境が変わっていなければ。

二人の再会。これは神さまの思し召しか。今度こそうまくやれると思った。 けれどやはり神さまは残酷だ。

２年ぶりの再会。そして恋は成就するかに見えたが・・・

２年前のあの別れは、新しい恋のための準備期間だったというのか。

もう忘れていた恋。遠い過去になっていた恋。その恋を現実に引き戻したのは、親友信二が連れてきた高校生の従弟だった。

ヒロミ。おまえとの恋は、またもやスターティングオーバーなのかい？ これも運命なのかい？

あれから２年。 ようやく手に入れたオートバイ。 今はオートバイに夢中だけれど、ときどき気になる女の子は決まって、 小柄で華奢で長い髪をした女性だった。 ぼくは今でも心のどこかで、…

もうあの恋は終わったと思っていたのに、ぼくは意外な形できみの存在を知ることになる。 ねえ、ヒロミ。これは運命なのかい？こうなってしまうさだめなのかい。

男は自分が悪いことに気がつく。しかし認めたくなくて、怒ってみせる。 恋愛下手な男はこうして、またも大好きな女性を逃してしまう。 一体この恋はどうなってしまうのか。 ここで終わって…

キミが拒絶しなければ、ぼくが狼になることはなかった。

女子高生は手紙を渡すため、先生が住むマンションを訪ねます。そこで見てしまったものは、 奥さんと子供を連れた先生一家の幸せそうな姿でした。

憧れの先生にせがんで連れていってもらったツーリング。 途中、オートバイが故障したため、やむなくホテルで一泊。 翌日帰宅したら、女子高生の家は大変なことになっていました。

女子生徒にモテモテの男子教師。ライバルに差をつけるのは 先生の趣味のオートバイに乗せてもらうことだ。 そしてツーリングにでかけ、独占することだ。

ヒロミは毎週土曜日の午後、家にくるようになった。 そして一緒にジャズを聴く、お弁当を食べる。おしゃべりをする。 この至福の時間はいつまで続くのだろう。

新しいステージで、ぼくとヒロミはどうなってしまうのだろう。 このまま結ばれるのだろうか。それとも・・・

人間万事塞翁が馬。これは男女間の恋愛にも言えることではないでしょうか。 少なくともぼくとヒロミの物語は、そうでした。

終わったと思った恋。終わらせてしまった恋。しかしそれは序章にしかすぎず、 その恋はここから新章としてスターティングオーバーとなるのでした。

ヒロミ。今のぼくはおまえの愛より、友情、受験、そしてオートバイを優先する。

今回のエピソードは物語後半やラストのための伏線を随所にちりばめてみました。 読み進んでいくうち、ああ、これはあの時の伏線だな、なんて思ってもらえると嬉しいです。

ヒロミと約束したデート。実はそのデートは、さよならを告げるためのデートだった。

ヒロミの告白を訊いたぼくは、彼女とのデートを約束してしまいます。 けれどそれは、ぼくの方からさよならするためのデートだったのです。

ラッシュアワーの秋葉原駅で呼び止められたぼくは、ヒロミから好きです、付き合ってください、と言われてしまう。 しかし親友の信二がヒロミに恋してる。ぼくはヒロミの申し出を断り、友情を…

秋葉原駅で呼び止められたぼくは、ヒロミから「好きです。付き合ってください」と告白される。 けれどぼくは親友信二を裏切れない。断る理由を見つけるため、ぼくの視線は宙をさまよう。