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「とがはらみ」設定集【ネタバレ有り】

【ワタリミヅハ。タクシー怪談。トンネルの幽霊。おみず沼の名前を呼ぶみつちさん】
△ 先に女子高生たちの話から始める。わたし・S美・Y子・四人目は存在しなかった。
△ 夏休みに入ってすぐに 三年生徒の夏合宿がある。おみず沼近くの菟足自然少年の家を借り切って朝から晩まで自習するのだ。雨の夜、同室になった仲好しグループが怖い話を始める。聞いたことがあるような話ばかり。その中の一人がこの前聞いたと言って話したのが、名前を聞いたらその女がやってくるという話。暗い中4人で話をしていると、名前を忘れていたがだれかが名前を教えてくれる。わたし以外、消息が分からない。1987年頃。1991年9月号のオカルト雑誌に投稿掲載。
1. 雨の日にワタリミヅハという都市で拉致られた女性が乱暴されて生きたままおみず沼に捨てられた。遺体は浮かばなかった。名前を覚えている人の元に雨の日にワタリミヅハという女の人が訊ねてくる。ワタリミヅハが来ても「とがはらみ」と三回唱えたら、女は去って行くと教える。もし言えなかったらおみず沼の底に連れていかれる。(1970年頃に流行・カシマレイコ・口裂け女の類話か)
2. 雨の日。ワタリミヅハではなく、みつちさんが来たときは呪文を唱えても無駄らしい。みつちさんは一度人間を狙うとその友達や親戚に化けておみず沼に連れ込むともいう。名前を呼ばれて返事をしたら連れていかれる。声音をまねてくる。来るか来ないかは全く分からない。
3. 山池・おみず沼の周りで噂される幽霊目撃談。雨の日に菟足憩いの畔公園から女を乗せたら消えていなくなったタクシー怪談。「柚原《ゆずばる》駅まで」
4. 雨の日。菟足トンネルを抜けてすぐのS字カーブで車道に飛び込んでくる女の幽霊。
○ オミズヌ→大水主。
○ ワタリ→菟足《うたり》
○ (古くは「みつは」) 水の神。水の精。また、水中の化物とも。みずち。※書紀(720)神代上「水神罔象女〈略〉罔象、此をば美都波(ミツハ)と云ふ」[補注]語源は「水(み)つ霊(は)」で、「つ」は連体助詞、「は」は「ひ(霊)」と関連があるものという。「みつ」が「みづ(水)」と解されるようになったところから「みづは」となったと考えられる。
○ みつち→水の霊→みづちと同意。
○ 雨の日に友達や親戚に化けたみつちさんが、おみず沼の近くを歩いていると声真似をして呼ぶ。返事をしたら口から水を吐いて溺死する。
○ 肺に水が溜まる病気で急死。昨日今日で発症する病気ではない。非心原性肺水腫。
※ 4人のうち、1人は菟上美都子(17)。
※ 実際には約21年前の話。都市伝説は1970年頃から2000年頃くらいまで流行った話。
※ 柚原駅はおみず沼に一番近い無人駅。

【菟足少年自然の家】
△ WoooTubeの恐怖心スポ凸してみたチャンネル。最強スポット、菟足少年自然の家。現場から怖い話をする。某掲示板の激怖スレにある怖い話の一つを朗読。3人組のメンバー。廃墟心スポ探索。自然少年の家の目下にあるおみず沼も心霊スポット。後で行きます。ウ タ・hiro・Nightの女男男。
△ 雨の夜。廃墟に心霊スポット凸した3人の少年の話。女子2人があとからやってきて、「怖かったですか?」「怖かった」女子たちは廃墟へ入っていく。廃墟の3階の窓から笑いながら顔を出して、玄関のある空き地にいる少年らを呼ぶ。少年らの一人が女子を連れ戻すといって廃墟内に。なかなか戻ってこないので少年らが女子と友人を探しに行く。女子はおらず、友人は変死していた。あとから、女子たちが懐中電灯も持たず廃墟に入ったことと女子たちの姿形人相まで覚えていなかったことに気付く。(残った少年の内一人は、菟上家の分家。みつちさんが呼ぶことを知っている為、少女たちの呼びかけに答えなかった。)
△ 定点して、側で待機。hiroがだれかに呼ばれてる気がすると言い出す。風の音だとウタ。人が近くにいるとhiro。怖がらせるなとウタ。
△ Nightは菟上家の分家・天水の出で話者のことを知っている。それを明かして、話者は死んだと告白。みつちさんはしつこい。一度魅入られると返事をするまで付いてくる。Nightが一番怖がっている。お祓いをしたほうがいい。拝み屋をしているから今から○○に行こう。○○さんならみつちさんを祓えるから。みつちさんって何だよ。お祓いとか○○とかってなんなんだ。帰ろう、もう帰ろうよ。大急ぎで撤収。その後の更新はない。
○ その施設は廃墟。菟足少年自然の家。
※ 現在の話。3年前。
※ 現れた少女はおみず沼に沈められた人身御供の少女たち?

シーン3
△ 白匡介は菟足の祈雨の為の人身御供伝説(おみず沼に関する話)に興味を持っている。講義でその話をした。今度フィールドワークに行ってくるから、夏休みの間にみんなは課題をしておくように。
△ 氷川叶《ひかわ かなう》という女生徒(19)が、そのおみず沼の近くの出身で夏休みに生家に戻ると話をする。もし良かったら先生、うちで聞き取りをしませんかと申し出てくる。
01. おみず沼にはおかみさまという神様がいて人身御供の伝説がある。
02. 祈雨の対象、蛇。おみず沼の底におかみさまの祠がある。人身御供の娘たちが虬となって巣くっている。と言われている。
03. 「子だが橋ともいわれ、明治時代には『小田橋』と書いてあった。およそ一千年前、菟足神社には、人身御供があり、春の大祭の初日にこの街道を最初に通る若い女性を生贄にする習慣があったと伝えられている。ある年のこと、贄狩に奉仕する平井村の人の前を若い女性が故郷の祭礼と父母に逢う楽しさを胸に秘めて、暁の街道を足早に通りかかり、橋の上まで来た。見ればわが子である。『ああいかにすべきか』と苦しんだが、神の威光の尊さに、『子だが止むを得ん』と、ついに生贄にして神に奉った。それからこの橋のことを、子だが橋と呼ぶようになったということである。現在、菟足神社では、十二羽の雀を贄に替えておこなわれている。」古代から中世・戦国時代にかけて猪をさばいて生け贄にしていた。
○ 日河毘女→氷川
○ 淤加美神(おかみのかみ)、または龗神(おかみのかみ)は、日本神話に登場する神である。『古事記』では淤加美神、『日本書紀』では龗神と表記する。闇龗神=谷間の水の神=おかみさま=龍神(古語)=祈雨・雨乞い

△ 白は菟上家に滞在する。叶が生家に呼ばれたのは、姉の希望が行方不明になって1年以上が経ったから。そのため、家を継ぐことになった。叶はそのことが不安だったので白を呼んだ。人身御供の伝説は建前。
04. 藻が絡まるか何かして、決して浮かび上がらない。その少女たちがでる。祈雨の為におかみさまに人身御供になった娘の伝説が元。
05. おみず沼というが、一見大きな池である。山からの支流に位置していて、水源を辿ると滝があり淵もある。しかし、そちらの淵には特に伝承や伝説はないが、菟上家の屋敷がある。
06. 双子の生家の娘が人身御供になった。双子の片方が人身御供になり、片方が家を継ぐ。双子を産んだ母親・美都子(水葉)は死亡(20)。片方・力の強いほうが人身御供の役目を担う。
07. 人身御供になるのは霊能力のない叶と思われているが、実は霊能力の優れたほうが呪力が強い為に希望が人身御供に選ばれる。現代では形のみのはずだった。
○ 姉の名前は、菟上希望《うなかみ のぞむ》
○ 叶は親戚に養女に出されて姉とは生き別れ。
○ 双子の生家は拝み屋。代々祈雨をになった家系。現代では祈雨はしていないが生業は続いている。
○ 父不在・男は分家から婿入りし、子が生まれると離縁される。
○ 本当に父との子供なのか?
○ 腕に現れたうろこ状の痣。希望の腕にもあった。希望が死んで、叶の腕にも現れた。これが跡継ぎの証。
○ 希望は跡継ぎとして生家に残った。希望は非常に優れた霊能力の持ち主。
○ 叶は視ることは出来るが祓う力はない。
※ 希望が交通事故、ひき逃げ。息があるのに、おみず沼に沈められた。
※ 十六歳で人身御供にされた霊を恐れて家出しているところをタクシーに轢かれてしまう。
※ 叶はその話を知らない。自分が双子だったことも知らない。隠されていた。母親と姉の名前も知らなかった。
08. おかみさま(闇龗神《くらおかみのかみ》)を祀っている。水神。蛇・龍の古語。
09. おかみさまになれなかった虬が魂を求めて犠牲者を生む。人身御供が虬に変化する。
10. 双子の母・美都子《みつこ》は、おかみさまに子供を孕ませられたと言われた。=双子の片方は人身御供にすると運命づけられている。おかみさまに返す。
11. みつちさんに魅入られると、おかみさまよりも上位。
○ 有毒の虬《みずち》。毒を吐いて道行く人を毒気で侵したり殺したりしていた。水の主たるみずちが人間に化して害をなす伝承があった。
12. おみず沼に沈められた少女たち。人身御供。淤美豆奴魔《おみづぬま》(名義は淤は大、美豆は水、奴は主で、大水の主の神の意。虬・龍神・蛇)
13. おみずぬ沼→おみず沼→大水主沼
14. おかみさまは「よく殺さしめて福《さち》なすかも」と神意を示す。
○ 「常陸国風土記」によれば、「長幡部神社」(前項)が鎮座する久慈郡太田郷の北に「薩都の里」があり、昔、「土雲(つちくも)」という「国栖(くず)」が居たが、兎上命(ウナカミ)が出兵して誅滅した。それで「よく殺して福(幸=さち)なことだ」(よく殺さしめて福なるかも)と言ったことから、「佐都(さつ)」と名付けた、という。
○ 垂仁天皇の皇子本牟智和気(ほむちわけ)は生まれながらに唖であった。占いによってそれは出雲の大神の祟りであることが分かり、曙立王と菟上王を連れて出雲に遣わして大神を拝ませると、本牟智和気はしゃべれるようになった。奏上をうけた天皇は大変喜び、菟上王を再び出雲に遣わして、「神宮」を造らせた。出雲大社には龍蛇神講がある。大国主大神の御神使は龍蛇神。
○ その道中に本牟智和気と同衾した女性が蛇だった。→龍蛇神・水と関係する。
○ 菟上足尼《うなかみのすくね》→葛城襲津彦命の玄孫。葛城襲津彦命は弓月君(秦氏の祖)と交流がある→秦氏は養蚕・織物の技術を持っていた→太秦に秦氏関連の蚕の社があり、祈雨の神として祀られている。


△ 夢でいつも見る少女。姉だとは知らない。1年前から体に変調を来した叶の元に本家の菟上家から連絡が来て、希望の失踪と本家へ養女に入る話を知らされる。氷川叶の体の変調(腕に鱗の痣)から出生の秘密を明かされて、本家の美都子の実子なのに養女として籍にはいらねばならない事情を知らされる。しっかり書く。
□ 都市伝説(聞き取り:おみず沼付近の住民および、小中学校での聞き取り)を収集した教授の資料。
▲ 教授の聞き取りに白は興味を持つ。おみず沼付近の地域のおかみさま信仰と祈雨と人身御供について調べている矢先、氷川叶の実家がおかみさまを信仰していることを知る。
△ 叶は白に一緒に菟上家に来てくれと頼み、白とともに本家を訪れる。叶は希望という実の姉がいることを知る。母・美都子は双子を産んだ直後死んだと。叶は夢で不気味な複数の少女たちと出会う。
▲ おかみさまを祀る拝み屋一族の長・排他的な美千代に菟上家から追い出された白は、分家の水瀬鑑《みなせかがみ》と出会う。
△ 雨の降る中、叶は姉が死んだと直感しているが菟足公園を訪れる。このときおみず沼のみつちさんに魅入られる。
▲ 白はおみず沼周辺の都市伝説と菟上家のおかみさま信仰が深く関係すると推測。菟上家はおかみさまに祈る為におみず沼にせり出した畔まで行く。おかみさまの祠はない。おみず沼の底にあるという。
△ みつちさんを祓う為に叶を蔵にひと晩閉じ込められてやり過ごす。この子は菟上家を継ぐ娘だ。みつちさんはしつこいので、叶を蔵に閉じ込めたままにしようとする祖母。「殺せしめて福なすかも」叶は祖母に何故こんなことをするのか問う。菟上家の跡継ぎは必ず双子を生むが、片方がおかみさまに、もう片方は跡継ぎを産む為と、役目がある。夜中、人の気配で目を覚ます。そこに美都子がいた。美都子の記憶が再現される。
□ 美都子は生まれつき力を持っていて、少女のときから拝み屋をしていた。美都子の妹はおかみさまの為に生まれた。それは決まっていて、変えることは出来ないのだ。(美都子は妹を哀れんで、入れ替わった)そうやって水葉は美都子になった。
■ 白は鑑とともに叶を助けに行く。三人は鑑の家へ。実は鑑は希望の婚約者だった。結婚するはずだったが、失踪してしまった。結婚が嫌だったのではないか。このとき、母美都子の夫、叶の父がだれかも知る。
■ 叶の希望で父親・美豆神社の神主の天水巳刀彦《あまみみちひこ》(おみず沼の底に祀られた神社・美豆《みず》神社の神主・祭神、闇龗神)に会いに行くが、実の子ではないと告げられる。
□ 結婚してまもなく、美都子が妊娠した。巳刀彦は身に覚えがなく、驚愕。誰が父なのか美都子も言わない。産むまでの様子を描く。美都子(20)(水葉)はおなかの子を、「咎の子だ」といっていた。

みつちは、水の槌《つち》とも、水《み》の《つ》霊《ち》とも書く。すなわち水の神となる。すなわちみつちさんはおみず沼の主であり水神・大虬のことだ。
古くから信仰されているおかみさまは善性の神で、伝説にある大虬は悪性の存在であり、この二つは表裏一体。どちらも水神で、水神は龍の姿をとっている

おみず沼は無機酸性湖のカルデラ湖である。生息しているのはやなぎごけ、ユスリカ、ヨシ。魚類の生息は見られない。
近隣におみず沼に流入する酸性の川があり、火山地帯に近い。(大沼池参照)

神式葬 祭詞

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