https://kakuyomu.jp/works/16818093091979191609/episodes/16818093094173091934
小学校の適応指導教室で働く黒川カンナは、教員免許を持たない非常勤指導員。
かつて自身が傷ついた学校という場所で、昭和気質の教師・ポン先生(ホンダ先生)とともに、子どもたちの居場所をつくろうとしている。しかし、熱血すぎる指導は今の子どもたちには届かず、適応教室に足を運ぶ児童はほとんどいない。
それでもカンナは校内を歩き続ける。
困りごとを抱える子どもに、声をかけられずにいる親に、そっと近づくために。
三年生のヒナタは、授業を乱す行動を繰り返していた。
理解しようとせず担任を責める父親の言葉に、教師は心を折られ辞職。教員不足のなかで授業は崩れ、保護者の不満はヒナタ一家へと向けられていく。
追い詰められた母・涼子。
昼夜逆転、ゲーム依存、激しい癇癪。家庭の問題はすべて母親一人に押し付けられ、夫は仕事を理由に距離を置く。
カンナだけが、涼子の話を遮らずに聞き続けていた。
相談窓口、フリースクール、病院――
助けを求めて訪れる先々で返ってくるのは、「お母さん、無理しないで」という言葉ばかり。具体的な支援は得られず、涼子は限界へと追い込まれていく。