こんばんは。「大好きって、いわないで。」更新しました。陸玖はとうとう皓也を意識し始めるのか……?
https://kakuyomu.jp/works/16817330650481941437 ――俺は、女子を好きになることができない。
王 皓也は、同性の幼馴染のことが好きだった。
2025年、15歳の夏。女子という同年代の男子誰もが心の大半を占めているようなことに、彼は全く興味を持つことができなかった。でも、恋愛に興味がなかったわけではない。
彼は誰にも打ち明けることのできない恋心を胸の奥にしまっていた。
皓也は、小さい頃から毎日お互いの家を行き来するほど仲が良い幼馴染の陸玖のことが好きだった。単純で能天気バカで、でもそれがかわいくて仕方ない陸玖。けれど、彼は皓也と同じ男性だった。
もしかしたら女子に興味を持てるかもしれない、と一縷の望みを託して告白してくれた同級生と付き合った。しかし、家に上がって一緒に読書をしているとき、彼女はキスをしてくる。皓也は思わず彼女を突き飛ばして家を飛び出した。
彼女は温かかった。守ってやりたかった。それでも、キスを受け入れることはできなかったのだ。
――この血を全部入れ替えたら、僕は普通の人になれるのかな。
衝動的に小刀で手首を切ってしまった場面を目撃した父親が掛けた言葉とは。
――皓也は好きな人いるの?
君だよ、って言いたいよ。
言ってもいいですか。好きだよ、って。君が言うよりも僕は君のことが好きで好きで大好きで、愛おしい。
15歳の青年が胸の奥に閉じ込めた恋心の行方は――。
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