花凛と温泉旅館に来て、最初にしたことは着物姿の撮影だ。
恥ずかしそうにする彼女を、俺は言葉巧みに誘導して撮りまくる。
「やっぱさ、せっかくの可愛い彼女の晴れ姿は写真に残しておきたいよな」
「まったくもう。タカ君ってばそればっかり……」
「誰かさんのおかげでカメラの腕前がかなり上達しちゃったからね」
「えへへ、今やプロのカメラマンだもんね」
微笑む花凛は外の夕陽を眺める。
俺にはもったいないくらい可愛い彼女だ。
「なあ、この部屋には専用の露天風呂があるんだ。一緒に入ろうぜ」
「え?」
顔が赤いのは夕陽に照らされてるからだろうか。
とても魅力的な表情を浮かべる彼女を、俺は無我夢中で撮影していた。
この最高の画像は俺のスマホの待ち受け画面にしよう。
これだけは絶対に消させない、一生の宝物だ。