不意に、隣を歩いていた悠が足を止める。数歩進んだところで君尋がそれに気づき振り返る。周囲の学生たちは気にもとめず、二人のことをずんずんと追い抜かしていった。
「やっぱ変だぞ、君尋。なんかあったのか?」
「……ぇ」
悠の目は、どこまでも真っ直ぐだった。ひたすらに君尋を見つめて、少しの機微も見逃すまいとしている。瞳の奥には君尋に対する不信感と、それよりもずっとずっと大きい暖かな優しさが見て取れた。
――――本文より抜き出し
2016/03/06の9時に予約投稿いたしました。
もしお時間があれば、ちらとでも読んでいってくださると嬉しいなあと思います。
気がつけばこのアカウントのフォロワー(?)さんが9人、鬼囃子フォロワー(?)さんが4人になっておる……。
応援されていると都合のいいように解釈して、これからも、ちまちまとでも頑張っていこうかなと思います。