本編を読まれて薄々気づいていた方も多いかと思いますが……Serpensのドクタの正体は、惑井塵外でした。
Serpensにおける彼は「女好きで性欲全開の変態ドクター」としての姿を見せていましたが、その行動の根底にあるのは「美しい女性を、美しいまま生かしておきたい」という切実な願いです。
劇中での振る舞いを振り返ってみると——
美玲の身体と入れ替わっていた清士に対し、軽薄で変態的な言動こそ弄していたものの、一線を越えるような真似は決してせず、医師として正しく治療を行っていました。
清士に与えたあの着流しも、実際に高い治療効果を持つ特別製です。
また、本編では直接描かれませんでしたが、清士が命を落とした際、惑井は深く悲しんだはずです。
たとえ中身が男性だとしても、自分が手を尽くして治療した「美しい女性の身体」が失われたのですから。「女性を死なせたくない」という彼の情熱に偽りはありません。
……ただし。
彼が真に救いたいと願う対象は、後にも先にも「御月」ただ一人だけです。
清士の死を酷く悼んだのも束の間、次の瞬間には一転して「御月の治療につながる貴重なデータが得られた」と内心で喜んでいた可能性すらあります。
もちろん、本気で打ちひしがれているノアの前で、そんな冷徹な顔を見せるような真似は決してしませんが——。