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  • エッセイ・ノンフィクション

太尾もそして込み上げた。

友人の演奏を聴きに行った。
なんとなく知っている友人がいた。
休憩時間は、どうしても一人来ていたから、どうしようと焦った。
演奏を聴きに行った彼女には、友人がたくさんいた。
当たり前だが、私以外にもいるのだ。
彼女の周りにはどんな友人がいるのだろうか。
中学生の頃からの私は今日来た人間の中でも古い友人だが、
恋人より、高校の友人より、大学の友人よりもだ。
これは嫉妬に近いものなのかも知れない。
いや、私が絶対に一番仲が良いと勝手に思っていたのだ。
アホめ。

そんなことどうでも良くなるくらい、最高の演奏であった。
自分の悩みがどうでも良くなるくらいだ。
私は、クラシックは対して聴かないから、これがイマイチだった。
失敗しちゃった。と言っていたが、何が失敗だったのかよくわからない。
胸から、口から何かが込み上げてくる思いだった。

彼女の演奏は私の心を掻きむしってくれた。

彼女の友人であることを誇らしげに私は思う。
気分が良いから、このまま映画に行こうと思う。

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