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【カノガミ裏設定】あるカミの記憶2

 外輪準を仮の憑代としてから1週間の時が過ぎた。私は、準から現代の記憶を読み取り、その知識を得た。

 ただ、その中で私は知ってしまった。準は……その両親を他人に殺されていた。そのことを準に問いただすと、彼は「事故だった」と言ってそれ以上は話そうとはしなかった。

「カノガミちゃん。昼メシできたぞ」

「だからその名で呼ぶなと……なんだこれは?」

「からあげ」

「そうではない。なぜこうも沢山あるのだ?」

「カノガミちゃんこの前めちゃくちゃ食い付き良かったじゃん。好きなのかな〜と思って」

「よ、余計なことを……」

「とか言いながら食い付きいいじゃん」

「うるさい。貢物は遠慮なく頂く。これは私の流儀の問題だ」

 準は私が食べる姿を見て笑う。なんだコヤツは。この前のことも覚えておるし……どういうつもりだ? 私を利用するつもりか?

「ソナタは私の力を使いたいのか?」

 準が困った顔をする。どうだ? 私に願いを言った瞬間消してやる。人間など所詮愚かな生き物なのだ。自分の欲には逆らえまい。

「いや、別に」

「な、なぜだ……!? 時の力だぞ? やり直したいことがあるであろう?」

「だって……俺が戻りたい所までタイムリープしたら死んじゃうって言ってたじゃん。リープ先が幼すぎると脳がパンクしちゃうって」

「そ……そうか。両親が死んだのは6歳の時であったな……」

 しまった。時のカミである私が忘れるなどと失態を犯すとは……。

「で、ではこういうのはどうだ? ソナタの両親を蘇らせてやろう」

「そんなことできるのか!?」

 準の顔がパッと明るくなった。ふふ。やはりな。コヤツからは孤独を感じておったのだ。大切な物を失う孤独をコヤツは知っておる。


 そう。チヨを失った私のように。


……。


「できるぞ。ソナタの親しき者の寿命と引き換えに」

「じゃあいいや」

 今度は準が寂しそうな顔をした。なぜだ? なぜそんな顔をする。

「親が戻るのは嬉しいけど、その為に小宮達が消えるのは嫌だ」

「我儘な奴だなソナタは」

「うっせぇ。周りの人が泣くのは嫌なんだ。俺と同じ思いをさせるのはさ」


 ……。

 チヨが村人に殺された時。私は村の連中を犠牲にチヨを蘇らせた。


 蘇ったチヨは二度と笑うことはなかった。犠牲になった村人に謝り続けた。


 チヨも、同じように思っていたのだろうか?

「まぁでも、ありがとな」

「え?」

「俺のこと気にしてくれてさ。イイ奴だな、カノガミちゃんは」


 私は……そんなつもりじゃ……。


◇◇◇

 これが2つ目の記憶……。


 やっぱり私の予想は当たってた。


 でもまだ核心の記憶じゃない。それを探さないと。まだ開示されていない記憶がある……。

何がきっかけなの? 158話が開放されないと辿り着けないのかも……くそ。もうそんなに時間が無いのに。


 あれ?


 観測者さん。こんな所に何のよう?


 偶然かな? それとも観測者さんも記憶を探してる?


 私は次の記憶を探しに行くから。


 またね。


https://kakuyomu.jp/works/16817330650693947965

 
 

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