ちょいとあらすじ案。
移動要塞で詰んでる世界をひっくり返す
災厄をもたらす「終末を招く者」が出現し、これに対抗するため世界的に勃発していた戦争が全て終結する。
いがみ合っていた勇者、戦姫、魔王が一丸となって「終末を招く者」に挑み、これを打ち滅ぼした。
代償は大きかったが、全ての生きとし生ける者たちは歓喜する。
だが――。
もし、ラスボスを倒した後にラスボスがまた出現したとしたらあなたならどう思う?
しかも、そのラスボスがコブリンのように多数ポップしたとしたら。
それでも尚、勇者、戦姫、魔王、さらには孤高を貫く龍王までもが「終末を招く者」へ挑む。
もはや絶望しかないと知りながら。
――この世界は、もう詰んでいる。
しかし、巨大な鉄の塊が世界に招かれた。
四本の足を持つそれは、見たことのない金属とも生物ともいえる不思議な物でできていた。
「攻撃を感知しました。自動反撃します」
「ちょ、待て。敵か味方かもわからんのに」
蟹のようにも見える胴体の中央が眩いばかりに光る。
次の瞬間、光の刃が迸り「終末を招く者」の一体が粉みじんに吹き飛んだ。
「や、やっちまった。なんてことすんだよ!」
「サーチアンドデストロイです。マスター」
「俺はお前のマスターになった覚えはねえ」
「命令を。マイマスター」
「聞いちゃいねえ」
終末を避けることができない詰んだ世界に突然姿を現した鉄の塊――移動要塞が全ての常識を吹き飛ばす。
搭乗員は二名。
冴えない青年と小さき妖精が織りなす、滅亡回避ストーリー。