ところで、『ホテル・ニューハンプシャー』のついでに
クライヴ・バーカーの『ヘルバウンド・ハート』(ホラー映画『ヘルレイザー』原作)を読みました。
『ヘルレイザー』の「究極の快楽は苦痛である」という哲学に興味があったんですが、
フタを開けてみると
「人間というやつは、退屈してくると普段考えもしなかったようなことに手を出すものだが、それは狂気の世界の入り口かもしれない」
みたいな話でした。
誰でもちょっとした気まぐれで狂気に陥りかねないという怖さですね。
ただ、そのテーマにたどり着くまでに痛そうなシーンを山ほど読まされるので
ゴア表現に耐性のある方以外にはおすすめしづらいですね……。
(映画のシナリオ用として書かれたそうで、緊迫感があって読み飽きないストーリー展開自体は面白かったです)
それと、本編中に何度か濡れ場があるんですが
襲い来る恐怖から逃れるために性欲を利用しようとしても、究極の快楽たる苦痛の前では性的興奮など何の役にも立たない
というシーンが繰り返し提示されるところも印象的でした。