【ポートレィト岩男】
東京都多摩地区(通称:東京じゃない方の東京都)の何処かにあるという〝いやしの森〟に住む不思議なお友達。彼女に不倫された売れない画家の自画像(セルフポートレイト)を元に、その友人である美術系大学出身の工場派遣社員が戯れに作った石像が山中に不法投棄され、近くで死んだ猫の魂を宿すことで生まれてしまった不幸の産物。野良猫時代、痴呆気味の大学教授から餌と引き換えに講義を受けていた為、とても博識で思慮深い。しかし、岩から生まれた存在である為か、その口は岩のように硬く、ほとんどしゃべることはない。無口だが哲学的な猫のような何かである。