リンキンパークのチェスターさんについて

ここは音楽を語る場ではありませんが、私が小説を書くときに音楽の力を借りることがあるので、お許しください。

今朝のニュースにもありましたが、ロックバンド「リンキンパーク」のボーカルであるチェスターさんが亡くなられました。
ニュースを見る限り、自殺だそうです。

リンキンパークと言えば、私が高校時代に『ハイブリッド・セオリー』というデビューアルバムにしてモンスターアルバムとなり、一瞬にしてその名を世界に轟かせた、まさに〈スター〉でした。

当時の私はガキンチョで、日々のストレスや鬱憤をロックで発散する毎日。
リンキンパーク以外にも、KORN、リンプビズキット、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、システム・オブ・ア・ダウンなどなど、べヴィーロックを沸かせているバンドは数多くいました。

その中でリンキンパークは、ヘヴィーロックとヒップポップを完璧な融合を果たした唯一無二なバンドとして君臨していました。
ロックとヒップホップの融合は、40年くらい前にエアロスミスとRUN-DMCが「Walk Thie Way」で試みた頃から始まっていたのですが、正直、中途半端なものが多かったのは否めません。
そんな中で、リンキンパークはデビューアルバムにしてそのシーンを〈完成〉させた、まさにとんでもないバンドで、私はそれに興奮し、毎日のように『ハイブリッド・セオリー』を聞いていました。
1曲目の「ペイパーカット」は、それこそ何百回聞いたかわかりません。

ですが、デビューアルバムがあまりにも完成されすぎていたのと、彼らの「過去の再生産」や「自己模倣」を避け、新しいものを作ろうという信念からでしょうか、色を変え、形を変えて、新しいアルバムの制作を続けていました。
その度に賛否両論が巻き起こっていたのですが、それはまだ彼らが世界的に注目されていた証拠でした。

でも、昨今のロックの著しい衰退には目に余るものがありました。特にアメリカでは、ラジオのロックチャンネルでさえロックを流さない、という事態が起こっていたそうです。

そんな中、最近リンキンパークは『One More Light』というアルバムを出したのですが、そこにはもう、かつてのリンキンパークはありませんでした。
タワーレコードで視聴した際、あまりにもロック色が掻き消されてしまった曲に、私はヘッドフォンをそっと置き、結局、アルバムを買って帰ることはありませんでした。
私と同じ思いをした人は多いようで、発売当時のレビューはあまり良くありませんでした。
特に私みたいに、デビュー当時から聞いていた世代にとっては、なおさらだと思います。

ただ、私がここで言いたいのは、リンキンパークがそのようなアルバムを作らざるを得なくなってしまった時代に、悲しさを覚えてしまうということです。

きっと彼らは、これまで通りにエネルギッシュで、攻撃的で、カッコイイ音楽を作りたかったと思います。
でも、それを作ろうとしたら、レコード会社の承認は降りないし、出せたとしても、流通させてもらえないとか、いろいろな弊害があるのだと思います。
なぜなら、ロックはもう、世の中が求めていないから。

完全な推測ですけど、チェスターさんが自殺されたのは、このことも関係しているのかもしれません。

では、なぜロックはこれほどまで衰退してしまったのでしょうか?

SNSが普及したせいで、みんな空気を読むようになり、ロックみたいな攻撃的なコンテンツは好まれなくなってしまったからでしょうか?
(ご存知の方がおられましたら、コメント欄で教えていただけますと幸いです)
わかりませんが、もしそうだとしたら、非常に悲しい思いです。
なぜなら、ロックのように攻撃的な衝動が、新しい物をたくさん生んできたことも、また事実です。
確かに、無為に誰かを傷つけてしまうことは決して良くないことですが、でも、みんなが謙遜し合って、他人の目を気にしてばかりでは、生きづらいだけじゃないですか。
たまにはロックを聴いて、「ムカつくことはムカつく!」って叫んだっていいじゃないですか。
私たちは人間です。愛おしいと思うこともあれば、憎いときだってあります。当たり前です。

もし、ロックという真実や本心に向き合おうとすることを避けるような風潮がチェスターさんを追い込んでしまっていたとしたら、それは私たちにも責任があるのかもしれません。
この出来事は、そういう意味でも深く考えるべきことですし、これからの未来や幸せについて今一度、問い直すべきなのかもしれません。

長文失礼いたしました。

最後に、チェスターさんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

1件のコメント

  • 新年明けましておめでとうございます。

    ベームズです。
    今年も一年、よろしくお願いします。
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