タイトルの通り、本日の更新分で『クズな彼女は拾われたい!』完結となります。
この作品を書き始めた経緯としては、Xで語ったように何かしらの形で月見秋水に興味を持ってくださった方が、お金を払って本を買うというリスクを背負わずに楽しんでもらえる作品をどこかに置いておきたい…という思いから生まれたものです。
最終的に文字数が約13万文字と、文庫本1冊以上の密度となり、この作品が担うべき役目を充分に果たしてくれる分量として仕上げることが出来ました。
本来は10万文字前後での完結を想定していたのですが、自分が思っていた以上に空見冬斗と名雲夏菜の、高校生らしい日常を描くのが楽しかったのでしょう。「こんなエピソードが描きたいなあ」という思いに突き動かされた結果、かなりのボリュームになってしまいました。
実は、この物語を書いたのにはもう一つ理由があります。
プロのライトノベル作家として、本という形にして物語をお届けするには、かなりの時間を要することが殆どです。
担当編集と密にやりとりを交わし、企画とプロットの精度を上げて、会議に出す。もしそれが通らなければ再び二人で熟考しながら、また企画の質を高めていく。
その繰り返しを行っていくと、あっという間に時間が経ってしまい、ようやく一冊の本が世に出る頃には、最初の企画相談から一年や二年が過ぎていることは珍しくありません。
しかしこれはビジネスである以上仕方のないことであり、同時に不可欠なことです。決して誰が悪いとかそういう類の話ではありません。(強いて言えば企画力の弱い作家自身、ということになるかと思います)
ですがその間に一つの作品に縛られ、筆を動かせないというのは非常にもどかしい。
すごろくで自分の番を待つ間、盤上を眺めている待機時間。
あるいは机の上でキャップを外せない筆を転がしながら、真っ白な原稿を眺めているだけの日々。
空虚な時間の中で足を止めている時間は、実に勿体ないですよね。
だからこそ、その「待ち時間」に新たな執筆を始めようと思いました。
とはいえ、自分は専業作家ではないため執筆速度には限界があります。
「今後は作品を連発していくぞ!」という意思表示ではなく、あくまで待ち時間の中で生まれた作品をウェブ掲載という形で世に送り出そうという感じですね。
カクヨム連載中の短編集『イワクツキなヒト』をだらだらと不定期更新しているのもまた、そういった理由です。こちらはライフワークみたいなものだと考えているので、終わりなく死ぬまで更新し続けると思いますが…。
そういうわけで、これからも物語をいくつか発表し続けたいと思っています。
最後に。
デビューした頃と比べて、自分を取り巻く環境は徐々に変化しつつあります。
新人賞に応募していた頃は、ただひたすらに作品を書いていても許される若さがありましたが、今となってはそれも難しく、徐々に執筆に割ける時間が減少している状態です。
だからこそ、余力と猶予がある時に一つでも多く作品を作っていこうと思っています。
そして『クズな彼女は拾われたい!』を読んでいただいた、全ての読者様に心から感謝を申し上げます。ありがとうございました!!