そこにあるイベリス 後書き

※この文章にはそこにあるイベリスのネタバレが含まれています。

 処女作を読んでいただきありがとうございました。やりたいことは大体出来たので私としては満足なのですが、読み返してみると登場人物が何を考えているのかよくわからない部分が多いですね。それを踏まえて次の作品は色々試行錯誤しているのですが、上手くいっているかはわかりません。この作品以上に読まれた作品が無いので……。
 この作品はオマージュした作品が多く、取っ散らかっていた部分もあったため設定を練り直すために一度書き直しました。元々は二次創作小説だったのですが、あまり原作の作品が関係なかったのでオリジナルになるように設定を刷新しています。
 キャラクターは多すぎず少なすぎずを目指しました。すぐにキャラを増やす癖があるので他の作品では苦労しました。これは敵が一貫して"人型"のみだったというのが大きいです。
 そして私はキャラクターを殺すのがかなり苦手でして、大体の場合すでに死んでいることが多いです。なので殺伐とした世界観の中でも異様にキャラが死なない話だったと思います。
 以下キャラクターの解説。
 朱雀山円香 復讐のために戦っているのですが、かなりカラッとした雰囲気を目指しました。年齢的にもそうならざるを得ないだろうと思いましたが、彼女の過去は今公開している作品の主人公としてはかなり重い部類だと思います。戦いの経験はたった三年なので実は登場人物の中ではかなり戦闘経験が無いというか、かなり民間人です。これは強化兵として改造された際に得た強力な身体能力で無理矢理戦っていたというのが大きいです。戦争が終わった後戦わなくなったのも、彼女にとって戦いは復讐の手段でしかなかったというのが大きいです。彼女は大体物語で語られているのでここで改めて言うこともないでしょう。
 聖真我里 新兵ですが警官なので武器を携行していた経験は円香より長いです。警官の際に負った怪我が原因で強化兵になった過去があります。戦った経験はないので最初は驚いたりしていましたが後半はかなり豪快なキャラになったと思います。幾千の太陽戦が一番輝いていたと思います。
 従順な狼 設定から何に至るまで元ネタが分かりやすいキャラクターです。ブレードウルフですね。戦ってるところが見たかったのが大きいです。朱雀山の良きパートナーとなっていましたね。
 迅雷零 生きてるのがしんどそうなキャラだと思います。彼女の過去は本編や「見捨てられたアネモネ」で語られています。筆者のお気に入りキャラです。なので扱いは悪いです。
 オーナー オペレーター以上の設定はありませんが、円香の昔馴染みです。彼が強化兵でないのは運動事が苦手だからの一点に尽きますが、オペレーターの仕事もかなりしんどそうですよね、命令1つで生死が分かれますし。
 カケル ミツル ミオ それぞれ翔鶴 瑞鶴 零戦から名前を取っています。円香のネーミングセンスが壊滅的ですが気にしないであげてください。
 黒鷲 カケルの姿をした人型です。元ネタは本田忠勝とジェットストリーム・サムですが、強くし過ぎたなぁと思います。そのお陰で次の作品でも存在感を持っていたのでいいキャラだと思います。彼女の存在理由の為に戦うというミームは三波に引き継がれたのですから。黒鷲という名前は本人がとっさにつけた名前という設定があります。
 母なるもの かなり自分勝手なキャラだと思います。ラスボスというより小物感が強い。黒鷲を見た後だとそれが一層引き立ちますね。二度やられるというのもあんまり強くなさそうな感じが強いです。
 朱雀山三波 この時点ではコミュ障の無口な女の子程度の設定しかありませんでした。彼女は「ハイビスカスの幕開け」で語られます。
 以上キャラ解説。
 異様な速さで書かれた本編ですが粗も多く書き直そうと思えばいくらでも書き直せそうではあります。ただそれをするならすべてが終わった後にしたいと思っています。
 これはあくまで現代SFのつもりで書きました。2040年にはこんな兵器があったらいいなとか、人型アンドロイドが居たらいいなとかそういう気持ちで書いていました。
 私は人間が嫌いですが、人間が作った素晴らしいモノの数々はいつだって輝いて見える。なのでこの物語は希望をもって終わらせようと決めていました。荒野になった世界でも希望はまだ満ち溢れている。そんな物語であれと。

 以上。

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