〜ハリウッド系?〜
獲物が近づいても、決して舌なめずりを見せちゃいけねえ。獲物が罠に掛かってから、それを確かめる。
…で、お前誰だ?
襟元を締め上げられた若い女は、ただ青ざめた顔で震えるだけだ。先程の高飛車で神経質そうな声は、血色を失いカチカチと歯を鳴らすだけのその唇からは当分聞こえてきそうにない。
…つまらねえ奴を寄越してきたな。監視するだけなら新人でいいってのか。少しは旨味のある人間を連れてこいよ。
男はにやっと笑うと顔を女へ、ずいっと近づける。
…俺がお前の存在に1ミリも気づかないとでも思っていたか…?
〜収入が上がる夢らしい〜
その商店街はパンの専門街だ。
香ばしい匂いがそこかしこから漂い、数々の焼き立てパンが所狭しと並んでいる。皆幸せそうにそれぞれ好きなパンを選び、買い求めている様子を見て私も心が踊った。
店主の明るい声と客たちの軽やかなおしゃべりが、菓子パンにかかった大きな粒のお砂糖のようにその商店街にきらめきと活気を与えている。
見たこともないようなおかしな形のパンから、普段私達が目にするような普通のパンまで、あたりは艶のある黄金色に染まり賑やかだ。
バターを纏い、しっとりと焼けた小麦パンのような肌の店主が声をかける。
「お前さん、ここは初めてかい?どんなパンがお望みなんだい」
小柄な私を覗き込むように、その大柄な巨人はにっこりと笑った。真っ白で清潔なパン職人の服を着ている。
私は急に恥ずかしくなり肩をすぼめると小さな声で目的のパンの名前を告げた。
「そりゃあお目が高い!そのパンなら間違いないよ。少々値が張るがね!」
巨人は大口を開けてガハハと豪快に笑うと、待っていてくれという仕草をして、少し窮屈そうに後ろに引っ込んでいった。
頭上を見上げてもパンだらけだ。天井まで続くパン。屋根まで堅焼きしたパンでできているのか、少し思案して私はクスリとひとり笑った。ここは居心地がいい。
文章にすると本日の夢はこんな感じでした。
寝起きなので誤字脱字は見つけ次第直す予定。