どうも、早苗月令舞です。氷竜の子グラス、全26話の連載が完了した事をここにお知らせします。
今回の企画開始は、前作あおぞらきのみの進行途中で決めた事でした。お友達の勧めで小説を始めて最後まで書いていく中で、氷竜の子グラスにもストーリーがあるのなら、それも改めて小説にするのは必然的な流れになったかと思います。
グラスというキャラは、最初は診断メーカーで出て来た結果を適当に解釈して作った一発ネタキャラだったのですが、いつからかあおぞらきのみと並ぶシリーズとして始まる事となり、あるドラゴン族が解決した事件、グラスの誕生と成長、独り立ちして新生活を始め、噂の怪物が暴れる中でシビルを救い、お互いを支える条件で共生し、いつかは人間界に帰してあげるというストーリーを作る事になりました。
物語の前半はこれまでに描いてきたグラス達のクーピーイラストがベースになっていましたが、後半は、はっきり言って、前作以上に難しい事になりました。
新規ストーリーを作るために過去に作ったキャラを何名かリブートしたり、今まで考えてなかった、グラス達の数年後の姿などを考えて、あらためてこの場を借りて書くのはとても大変すぎました。結末だけぼんやりと決めて正直言ってこれホントに最後まで行くのか?と疑問視した事もちょっとありました。
それでも、グラス達がここまで積み上げてきたものをひとつも無駄にはしたくない想いで、今回の小説版グラスを最終話まで書き続けることが出来ました。その過程で新たに作られたキャラ達も、イラストに登場させたり、なんらかのスピンアウトなども作れたら良いなと思います。
今回はあおぞらきのみとは違い、ファンタジー的な世界観での物語となりました。氷のチカラを持って生まれたグラスが、傷付き泥だらけのシビルを救い、この能力を沢山の人の役に立たせて、最終的にシビルを人間の世界に帰してあげるストーリーは、世の中には過酷な環境で育ってきた人もいる事を改めて知って、こういう子を一人でも多く救いたいという想いを込めて作りました。しかし、このお話では、成長したシビルが自らの意思でグラスの所を去る事になりましたけどね。
今、どこかにいる、過酷な現実に直面している人は、他人の救いの手ですら自分を傷付けるものとして拒む事もありますが、シビルの場合は自分よりも大きくて強そうなドラゴン族と出会ったからこそ、受け入れる事が出来たんじゃないかなと思っています。
現代は、良くも悪くも多様性の時代を迎えています。そんな時代に創作された氷竜の子グラスを、これから先も愛していたいなと思っています。小説としてのグラスはひとまず終わりましたが、クーピー絵の方は想像力ある限り歯止めはありません。いつの日か、成長したグレィスや、母となったグラスの姿も、描く事になるかもしれません。
あらためまして、本作を最後まで見てくれた皆さんや、コメントをくださる方にはどれだけ感謝しても足りないぐらいです。お返しは、次回作をもって、返させていただこうと思っています。重ね重ね、本当の本当にありがとうございました。
皆さんの心にに優しいドラゴンがほほえんでくれますように。また、次回作でお会いしましょう。
2024年5月23日